器質性と機能性の違いとは?

タイプ①器質性月経困難症

病院への通院が必要となる何らかの病気が隠れています。

【症状の特徴】

20代後半から多くなり、加齢と共に強まっていく傾向があります。生理初日~3日目ごろを過ぎてもまだ続き、生理期間以外にも痛みが生じることもあります。

【考えられる病因】

子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫など

 

タイプ②機能性月経困難症

月経困難症の症状はあるものの、原因となる病気がないのに症状が出ます。

【症状の特徴】

一般に、思春期~20代前半に多い生理痛で年齢と共に軽くなっていく傾向といわれます。しかし、生活スタイルが多様化し身心への負担により重くなることもあります。

【考えられる病因】

・子宮や卵巣が未成熟。

・子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン(子宮の収縮を促す物質)」の分泌量が多い。

・ストレスや体質(冷えなど) など

機能性月経困難症の治療法

薬で生理痛を撃退するのは避けたい

月経困難症でよく処方されるお薬

●ホルモン薬 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬
排卵を一時的にお休みさせることで(妊娠中の身体と同じ状態にする)、生理に伴う痛みやその他の症状を抑える薬です。

 

●鎮痛剤(NSAIDs)
生理時に子宮の収縮を促す物質「プロスタグランジン」(痛みの原因物質)の分泌量が多いと、強い痛みを感じます。

そのため鎮痛剤でこの成分を抑えます。

「プロスタグランジン」は血管の収縮や胃腸にも影響するため、生理中の頭痛や胃痛、腹痛を引き起こします。

痛みが出そうだと思ったら、我慢をするのではなく、早めに飲むことがポイントです。

 

●漢方薬

生理痛は漢方薬処方されることもある

漢方薬は病気や症状にではなく、体質や状態に対して処方する薬です。

継続的に自分にあった薬を服用することにより、血行をよくして体質を改善し、痛みをやわらげることができます。

【よく使われる漢方薬】

 ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え、めまい、低血圧など

 ・桂皮茯苓丸(けいしぶくりょうがん):肩こり、下腹部の張り、のぼせ、冷え

 ・加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラ、倦怠感、発汗