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■患者■

80代・女性

■来院■

2018年4月

■症状と来院理由■

棚の上段から物を取り下ろす動作で腰がギクッとした。

以前、大人しく寝ていたら翌朝治っていたことがあり今回もそうしてみたところ、治るどころか痛みが増していた。

体操教室へ頑張って参加してみたが、痛みが酷くなるばかりで歩くことも辛くなってきた。

椅子に座って休もうとしたところ、中腰の姿勢で痛みが腰の中央に走り、その後力が抜けた感覚で立つこともままならなくなった。

体操教室の先生から電話があり、救急で対応することとなった。

■治療内容と経過■

【初鍼】立ったまま触診を行うと、お尻と腰の中央に近い部分に酷い筋緊張が見つかり、それを緩めるため手の甲と脹脛にあるそれぞれのツボへ鍼を行なった。

また、中腰になる動作と、腰痛になるキッカケの動作に関係する筋肉を調べると緊張があったため、その筋緊張を緩めるため脛にあるツボへ鍼を行なった。

中腰になる動作と、座る立つの動作が出来るようになった事を確認、翌日の治療を約束して初鍼は終わった。

【2鍼】前日からの状態を確認すると、腰の真ん中が重いことと、立ったり座ったりに不安が残っていた。

背中を確認すると身体の捻れと、仙骨が後に倒れた状態になってしまう筋緊張が見つかった。

それらの筋緊張を緩めるため、それぞれ足の脛と手に鍼を行なったところ、筋緊張が緩み立ったり座ったりする動作がスムーズになった。

また、腰の真ん中の重さに関係しそうな、お尻の緊張と股関節の動作を調べたところ、原因となる筋緊張を2箇所発見しそれぞれに対応するツボへ鍼を行なった。

股関節の動作がスムーズになりお尻の筋緊張も緩み、腰の真ん中にあった重さも感じなくなった。

様子をみる意味も含めて2日後にご予約を頂き2鍼目は終わった。

【3鍼】様子見を行なった日に、お尻に痛みが出たが、動いている内に収まり、本人としては治ったという意識だった。

痛みが出ていたお尻を触診をしたところ、痛みには繋がっていないが用心しなければならない筋緊張が見つかり、予防のため治療させていただくことになった。

前屈みになる動作、背中の張り、足の曲げ伸ばしに関係する筋肉に緊張が見つかった。

それらの緊張をゆるめるために、対応する腿、脹脛、膝、足の甲にあるツボへそれぞれ鍼を行い緊張を緩めた。

腰痛のキッカケになった姿勢・動作や前屈動作を確認すると、詰まり、引っかかり、重さ、痛みを感じなくなったことから、今回の治療は終了した。

■同時に治療した症状■

腕の前方挙上動作・股関節の内旋動作

■使用した主なツボ■

【初鍼】威霊、築賓、飛揚、精霊、玖路

【2鍼】光明、後谿、威霊、豊隆、巨峻

【3鍼】殷門、築賓、飛揚、白腰、峡川

■治療技術■

脊柱編、連動思考編、五体躍動編

■考察■

ご本人からのお話で、整形外科で左のL4〜S1の間に狭窄があると診断されている事を知らされていました。

狭窄している状態だけで今回の様な腰痛が発症しているとは思えませんでした。

問診で発症時の体の動きを詳しく聞けた事が、治療の着地点をスムーズに割り出すヒントになりました。

『痛いから動けないのでは無く、動けないから痛い。』

この整動鍼の思考が活かされ、棚の上段から物を取り下ろす動作が引き金になっているという事に焦点を定め治療が行えた事がとても大きかった。

2回目、3回目には狭窄の原因となっている筋緊張を治療出来たので、生活習慣の見直しを行なっていただければ、同じ様な腰痛は起こらないでしょう。