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肩こり症例:頸肩腕症候群

■患者:40代の女性

■来院:2016年11月

■症状:肩が凝りすぎて首が回らず、後頭部の頭痛まで発症しているとの急なご相談。役員のため座りっぱなしで事務仕事が多い。週末にはジムに通い身体は動かしているが肩こりは解消出来ない。通っているジムのトレーナーにほぐしてもらうのだが帰宅するともとに戻って凝っている。首を左右に向ける、前後左右に倒す動作がほぼ出来ない状態。後頭部の痛みが酷く、いつもどしてもおかしくない状態と訴える。

■治療内容と経過:症状がとても酷かったので必要最小限の触診を行いベットにうつ伏せで横になって頂いた。恵眞道体軸調整の鍼を行い背骨の調整を行い肩の張りを確認。「か、硬い…」想像以上に症状が酷く背骨の調整だけでは素直に緩んではもらえなかった。仰向けになって頂き体位を変える際に首肩の状態を聞いてみた。「来た時よりは随分と楽。吐き気が少しおさまりました。」まだまだ油断できない状態。お腹を再度触診。肋骨の下、横隔膜付近が硬く指が筋肉に沈んでいかない。下腹部も触診。右側だけが張っていて痛みを伴う様子。両手、右足に鍼を置鍼してお腹の緊張が緩むのを待つ。下腹部の緊張は直ぐに緩み経過は良好。それと比べて肋骨の下、横隔膜付近の緊張はなかなか取れず鍼の刺激量を考え本日の治療はここまで。起き上がって状態を確認すると「来た時よりもずっと楽。原因が肩にばかりあると思い込んでいたのでお腹の緊張には驚かされました。」とのこと。仕事を休む事は出来ない立場なので再発する可能性が高いことから1週間後の同じ時間に2回目の治療を約束して1回目は終了した。

■同時に治療した症状:頭痛、吐き気、猫背、背中の張り、浅呼吸

■使用した主なツボ:足太陽・飛陽・外谷・合谷・曲池・足三里・陽陵泉・太衝

■考察:役員という立場で仕事中は長時間椅子に座りっぱなし。お腹を長時間くの字に折り曲げた姿勢が長いため、腹部の筋肉に極度の緊張を作っていた。それが原因で猫背になり、頭の重みを支える形で首・肩が酷く凝ってしまった。腹部の筋緊張のため胸焼けや、血流も悪くしてしまい下半身の冷えが起きていることが判明した。肩こりの治療で表面ばかり行っていても根本的な治療には至らない。全身を確認し、バランスを整えないと直ぐに症状が戻ってしまう。この方もほぐしてもらってはいたが、根本の原因にアプローチしていなかったため症状を長引かせ悪化してしまった。健康的な動作が出来る身体づくりを行わないと内臓にまで影響が及んでしまいます。その手前の症状だったと思われます。肩こり・頭痛は万病の素と言われる方もあります。安易な治療・施術は危険です。