腰痛の症例:ぷちぎっくり腰

■患者:30代の女性

■来院:2016年5月

■症状:ぎっくり腰。塾講師の仕事に就いている。授業の資料を作成中に席から立ち上がった瞬間に「グキッ」と腰が言ったとの訴え。日頃の作業姿勢について問診したところ、右足を椅子の上に膝立てた状態で座る事が多いとのこと。この日も裏切らず、同じ姿勢で4時間作業を続けていた。前屈・後屈・右回旋の動作が出来ない。

■治療内容と経過:整動鍼を行う。腰というよりは骨盤周囲の筋緊張を緩めて正常な動作を取り戻すことで完治を目指す。うつ伏せになって頂き、フクラハギに4本刺鍼し筋緊張が緩むのを少しだけ待って抜鍼。股関節の調整が半分しか終わっていないので後屈動作だけ確認。「うん?出来る⁉︎出来てる‼︎」再度仰向けで横になって頂き、今度は前脛骨筋と手に合計5本刺鍼。また筋緊張が緩むのを確認して抜鍼。動作確認を行うが、「心理的に前屈は恐い」とのことで回旋出来ることを確認して終了。この後2回通院して頂き完治。

■同時に治療した症状:骨盤の歪み、猫背、股関節のモビリゼーション

■使用した主なツボ:玉天・玉人・飛陽・築賓・豊隆・後谿・内谷・外谷・養老

■考察:日常的に椅子に座ると片膝を立ててしまうのが癖になっているため、右股関節周囲の筋肉が硬くなっていた。言葉遊びの様だが「同じ姿勢で居たい」って身体が楽を覚えてしまうと、いざ動く時には使われていない筋肉が「痛い」ってことになってしまいます。この患者様はその典型的な例。腰は座って居たいし片膝も椅子の上で立って居たい。そんな時に急に立ち上がるものだから準備不足で痛めたのである。座り癖から左方向への回旋が入り右臀部へ重心が移動。その姿勢からパソコンを集中して操作するため背中も丸くなり猫背に。「辛くないですか?」と聞いてみたのだが「これが一番落ち着くので」とのこと。「曲者(くせもの)」とかあまり良いイメージの言葉が思い浮かばないので「癖は正しましょう!」と座り姿勢や軽運動の指導を行い続けていただける様にお願いしました。痛いから動けないのではなく、動けないから痛いんです。その原因は日頃の癖にありました。