腰痛の症例:草引き腰痛

■患者:50代の女性

■来院:2016年8月

■症状:テニススクールのレッスンが終わり、球拾いを行っている時にギクッと腰をいわせてしまう。前日に別の治療院で鍼とマッサージを受けて折れた腰がくの字まで起こせるようになったが週明けに仕事があるためと来院。前屈・後屈・回旋が痛みのため自由に行えない。また、洗面所で顔を洗い流すための中腰姿勢が1番痛みを感じると訴える。同様に食洗機から食器を取り出す姿勢も似ているらしく痛みを発症。その時は肩関節を屈曲する動作もともなう。動作の再現で表情が変わるほどの痛みが出た。

■治療内容と経過:腰痛の治療で確認させて頂いている前屈・回旋については痛みは再現されるが出来ないとまでは至っていなかった。そこから骨盤の歪みを疑い触診を行って洗顔時と食器を取り出す時に痛みが出るという情報を聞き出す。先ずはうつ伏せで後屈動作と胸椎上部の湾曲の改善のため手と足に刺鍼。仰向けになって頂き、骨盤の歪みの調整を行う。両手と右足に刺鍼。10分程して抜鍼後、動作確認。「あれ?腰が伸びてます?」予想外の反応に私も驚いたが、動作確認で再現は無く治療は終了した。

■同時に治療した症状:胸椎上部の湾曲・骨盤の歪み

■使用した主なツボ:内谷・外谷・養老・後谿・六谿・陽輔・玖路・光明・豊隆・築賓・玉天

■考察:タイトルを草引き腰痛としたのは、患者様が来院された時の仙骨の状態が前傾位で草引きを行っている際に起こる腰痛と同じ症状を訴えていたからである。肩関節が屈曲、また中腰で再現される腰痛。洗顔や食洗機から食器を取り出す姿勢は、まさにその姿勢。仙骨の前傾が強く、テニスボールの球拾いが草引きの動作に似ていたため「草引き腰痛」を引き起こしたと考えられる。久しぶりの運動で疲労もたまっていた事も要因。日頃行わないしゃがみ姿勢で長く作業する際には気をつけたい腰痛である。