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腰痛の症例 l フラットバック(腰椎後弯)

■患者:60代の男性

■来院:2016年6月

■症状:理学療法士が営業している有名な整体に通っていたが腰痛が改善しないため来院。腰の右側に痛みがあり前かかがみになれない。加えて腰に手を当て小刻みにしか歩行が出来ない。研究職のため、日中のほとんどを椅子に座った姿勢で過ごしている。そのため、両肩が身体の中心へ強く巻き込まれ背中を伸ばせない。また、骨盤全体で椅子に座る癖があり、骨盤が後ろへ倒れている「フラットバック(腰椎過後弯)」もある。しびれ・麻痺などの神経症状は出ていない。酷いと外出も椅子に座る事も出来ない。

■治療内容と経過:整動鍼で治療を行う。背中を丸めた姿勢で椅子に座っているため、胸椎が過度に後弯している。そこで胸椎と仙骨、特に骨盤の調整を鍼で行う治療を計画。施術後座り方と自宅で出来るストレッチを指導。初回は歩行と身体を捻る(回旋)動作が回復し、自宅まで20分スタスタと歩いて帰る。歩いて2回目来院。経過を問診すると前屈痛と腰の右側の痛みは残っているとのこと。下腹が突き出ていること、背筋の右側が張っていることから座り方の改善を行って頂けていないことがわかった。そこで、静止画と歩行動画を撮影、姿勢と筋肉の使い方の重要性を丁寧に説明。前回よりも置鍼の時間を長くし、筋肉が緩むのを確認して施術を終える。3回目も歩いて来院。中腰になれないとの訴え。触診するまでもなく、今回も下腹の突き出しが…。施術後スタスタと歩いて帰宅されるが後日予約キャンセルの電話があった。有名な整体師に2日で治してもらえるとのことで、その後来院されていない。

■同時に治療した症状:胸椎・仙骨の歪み

■使用した主なツボ:後谿・豊隆・玉人・玉天 以上

■考察:今回の腰痛は長時間、同じ姿勢で作業を続けた結果腸腰筋が短縮、簡単には硬くなってしまったことから発症している。楽な姿勢が丸背なため、客観的に静止画・動画を見ても改善のために変えるという意識が働かなかった。動作という点からみると、腰に手を当てながら小刻み歩行で来院されていた方が、痛みはあるにしてもスタスタと20分も歩いて帰宅したり、身体を捻る事が出来たりと改善の兆しがハッキリ見えていたので治療計画途中で中止になったのが残念です。私自身がちゃんと治療のゴールを患者様と共有出来ていなかったと反省しています。