腰痛症⑽:長時間の歩行で…

■患者■
40代男性

■来院■
2017年5月

■症状と来院理由■
仕事中に軽く腰の痛みを感じていた。週末にレジャーで1時間ドライブの後に、3時間近く山歩き。帰宅の運転中に痛みが増してきた。寝起きと、しゃがむ動作で最も痛みが再現しますと、奥様が当院に通われている事もありご相談頂きました。

■治療内容と経過■
先ずは腰の動きだけに着目し治療を行う旨をお伝えして動作確認に。

・前かがみは痛みで出来ないけれど、後ろへ反らす動作は出来る。
・横へ倒すのは左右どちらも出来る。
・捻るのは左は出来るけれど、右は痛くて出来ない。

カルテに書き出し情報共有を行ってから詳しく触診に。

患部を指し示して頂くと腰骨と骨盤の間、しかも右側に限定される痛み。

うつ伏せになって頂き背骨を確認。

私:「ここ!ここ!ここ!どうですか?」

患者様:「痛いです!右から触られると3つとも痛いです!」

患部の痛みと出来なくなっている動作の原因を確認し、ふくらはぎに鍼を行なった。

先ほど確認を行なったポイントを触診。

患者様:「あれぇ〜!?嘘でしょう?痛くない!」

鍼を抜いてから起き上がって頂き、動作の確認。

前かがみだけ残して問題は無くなっていた。

患者様:「先生、もう痛くないし動けるんですが、どうしても先ほどお伝えしたところが重だるいんです。どうにかなりませんか?」

前かがみが出来ないことと、重だるさが残ることから右側の腰を全体にかけて再触診し、再度原因を追求してみた。

2箇所、右の腰に気になる硬さがあり、そこの箇所を硬くしてしまう原因に鍼を行なった。

歩き疲れや、ヒールの高い履き物を履いた後に出やすい箇所だった。

鍼を行いアキレス腱の上部がしっかり緩んだことを確認して抜鍼。

私:「起き上がって前かがみになって頂けますか?」

ベットから立ち上がり恐る恐る前かがみに挑戦。

患者様:「いやぁ〜!本当なの、先生?こんなことある⁉︎」

問題なく前かがみができる様になりました。

痛みもほぼなく、動作も改善できたので今回は以上で治療を終了した。

■同時に治療した症状■
ふくらはぎの突っ張り

■使用した主なツボ■
玉人・飛陽・後谿・承山・殷門

■考察■
日頃からソファーなどに深く座る癖があり、仙骨が後ろに倒れやすい動作環境になってしまっていたことが災いした。長距離のドライブで固定されてしまった腰・お尻周りの筋肉が、その後の山歩きでアキレス腱の上部を硬くしてしまい、腰とアキレス腱に挟まれる形で正常な動きを失った仙腸関節に炎症を引き起こしてしまった。当院へご相談の患者様の多くが問診時の座り姿勢が背中が丸くなり顎を突き出すケースが多い。この姿勢は座っている時には楽かもしれないが、運動する際には今回の様な腰痛を引き起こす原因になってしまうので、日頃からの座り姿勢にも気を配って注意して頂きたい。