腰痛:痛くて仰向けで眠れません

■患者:70代の男性

■来院:2016年9月

■症状:背中から腰にかけて痛みがあり来院。夜眠る際に仰向けで横になると、背中なのか腰なのか判らないが痛くて眠れない。朝起きる時には寝返りで仰向けになっている事が多い。その状態から起き上がろうとすると同じ場所が痛くて、なかなか起き上がれない。体勢を変え身体を捻るような感じで起きようとしても痛くてなかなか起き上がれない。そうこうしている内に身体が温まってようやく起きあがれる。

■治療内容と経過:腸腰筋が硬くなっている事が直ぐに判明した。そこで痛いのを我慢して頂き仰向けで両足の甲と膝、脛に置鍼し柔らかくなるのを待つ。その間に猫背の改善のため、手に4本置鍼。私からはみるみるうちに背筋が伸びていくのが確認できた。鍼先の重さが無くなったことを確認し抜鍼。立ち上がって頂き腰の具合を聞いてみた。「痛くない!」会計の際、受付スタッフが「〇〇さん、身長伸びましたね!歩みが速くなってる!」と驚きの声が。しばらく様子をみて頂き、また気になるようなら来院頂けるようにお伝えし治療は終了した。

■同時に治療した症状:猫背・股関節の可動域・両足の重だるさ

■使用した主なツボ:内谷・外谷・養老・後谿・光明・膝陽関・中腰・大腰

■考察:問診時、見るからに猫背で胸椎から腰椎への移行部が異常に盛り上がっていた。この盛り上がった部分が仰向けになった時に寝具に当たって痛くしていた。触診などで調べてみると「腸腰筋」が上手く働いていない事が判った。腸腰筋の特に「大腰筋」が短縮していて、起立の姿勢が出来なくなっていた。腸腰筋は歩行時にも重要な筋群で、「足が重だるい」「つまづきやすい」なども引き起こす。患者様に確認すると、なぜ分かったのかと言わんばかりに「ある!」と返事があった。歩行時にシッカリと腿を上げて歩く癖をつけないと、年齢に関係なく起こりうる症例。「日頃からよく歩いています」の『歩いてます』を今一度見直してみる必要がある事に気が付いて頂きたい。