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腰痛:顔を洗っていたら…

■患者■
80代の女性

■来院■
2016年12月

■症状■
・朝洗面所で顔を洗って身体を起こす際に痛みが発症
・かろうじて来院出来るくらいの歩行は可能
・痛みで背筋をピンと伸ばすことが出来ない
・立ち上がる際に腰が何かにハマった様な感覚になる
・痛みで身体を後ろへ反らせない
・時間が経つにつれて腰がくの字からつの字へ

■治療内容と経過■
座っていても背筋を伸ばすのが辛い様子。

痛みが発症した様子を詳しく伺う。

前日から腰に不安があった為、両肘を洗面台に固定し腰に負担がない様に顔を洗ったとのこと。

仙骨の捻れを疑い背骨を触診。

「あった!」正に仙骨が捻れる原因の部分に教科書通りの反応。座った状態から仙骨を触診すると左回旋していた。

座ったまま膝までズボンの裾を上げて頂きスネに1本刺鍼。

立ち上がって頂くと、「あれ⁉︎噓みたい。先生本当に痛かったんですよ!」と。

まだ腰が曲がっていたのでもう一度座って頂き膝周辺に4本刺鍼。

立ち上がって頂くと、「噓でしょう⁉︎背中が伸びてる!」

年末最後の鍼療日だったため用心していただける様、また相反する様ですが成る可く動ける範囲で動いて頂く様に家族にもお伝えして治療は終了した。

■同時に治療した症状■
背部痛、お腹の筋緊張

■使用した主なツボ■
光明、足三里、陽陵泉

■考察■
もともとお持ちの腰痛を年末だからと用心し過ぎたところから発症している。両肘を洗面台で固定してしまい、上半身の動きの自由を奪ってしまっていた。それと同時に右足を前に出して半身に構えて背中を前後に揺らしながら顔を洗ったために背骨の一部に負荷がかかり過ぎてしまった。それに反して仙骨だけは動作の自由が許されていた。そのため、捻れを生み、負荷がかかった背骨を起点に捻れた状態で固まったようだ。捻れた状態で固定されているため、背中は伸ばせないし後ろへ反ることも出来ない。骨格が一番安定する起き上がりの途中でハマった感覚も生まれる。日頃から自然な身体の動きが死んでいるために起こる典型的な腰痛であった。