腰痛(12):背中を伸ばすと痛みます

患者

30代・男性

来院

2017年9月

症状と来院理由

背中を伸ばすと腰の下の方に痛みが走る。

湿布を貼ったり、マッサージを受けに行くも解消され無かった。

ご本人の分析では、数日書類整理に追われていた事と、日頃から床の上に薄い布団を敷いて寝ている事が原因ではないかと疑っている。

ご本人の友人が当院へ通っている事からご紹介でご予約に繋がった。

治療内容と経過

背中を伸ばすと痛いという訴えがあった事から、治療ベットに腰掛けて頂き肩から背中、腰と触診を行わせて頂きました。

主訴の腰には筋状の硬い筋肉を確認する事が出来ました。

また、左の肩から3箇所硬結が見つかり、その硬結の原因と考えられる背中の緊張を探すことになりました。

探した結果、左右の肩甲骨の間、更には上下の中間部から下の方にかけ硬結が2箇所見つかりました。

その2箇所を指圧しながら、先ほど確認出来た腰の筋を確認すると少し軟らかくなり、患者様ともその事を情報共有を行い鍼を行う事に。

背中を伸ばすと痛む事から、座ったままで背中の2箇所へ順に鍼を行なっていきました。

先ずは肩甲間部の中間へ刺鍼。

患者様:「あれっ!腰の緊張が融けていく感じがします。」

そのまま腰を伸ばして頂くと、

患者様:「あれっ!伸ばせる!痛みも少ない!」

もとの姿勢に戻して頂く時に…

患者様:「あっ、痛っ!」

左のお尻に体重を乗せた時に痛みが走ったそうでした。

2箇所目の刺鍼箇所がその動作の改善箇所であった事から説明をさせて頂き、1本目の鍼を抜いて2本目の刺鍼を行わせて頂きました。

先ほどと同じ様に背伸びから左のお尻へ体重を乗せながらベットに座って頂くと、

患者様:「あぁ、気にならない!先ほどと違って気になりません。」

2本目の鍼を抜き、気になる箇所が残っていないか確認すると、

患者様:「何て伝えたらよいのか分かりませんが、重たい感じが残っています。」

背伸びができる様に成った事から、今度はベットにうつ伏せになって頂き重たい感じの箇所を触診で探っていく。

左のお尻の一部、そこの奥の筋肉が硬くなっていて指圧すると指が滑ってしまう感覚がありました。

患者様にその事を伝えて、再度指圧してみると

患者様:「何か嫌な感じがしますね。反対の右側はシックリ指がハマっている感じがします。左側はトゥルンと弾かれる感じで、弾かれた時が嫌な感じします。」

ここに関連する肩と足裏、腿を指圧すると硬さがあり、患者様と情報共有を行い。

中でも1番痛みを訴えた腿の部分へ、仰向けになって頂き刺鍼。

患者様:「嘘っ!腰が伸びて楽になったのが分かる!」

起き上がって頂き背伸びの動作で確認頂くと痛くないとこと。

患者様:「そう、こういう格好で床に座って書類広げて一枚とっては確認して右に置いてって…。あれっ⁉︎全然痛くない!いつも少し痛みを感じながら書類整理してたのに!痛くない!」

足の裏もいつもの硬さがなく、体重がシッカリ乗っている感じがするとの事。

今回は軽症であったため、1週間様子をみて頂き再発する様であったら直ぐに相談頂く様にお願いして治療は終了しました。

同時に治療した症状

背中の張り・肩こり・足底のこり

使用した主なツボ

T5(2.5)、T7(2.5)、峡川

考察

今回の腰痛は、お尻をアンカーにして床に座り、上半身を前屈しながら作業を行なっていたことから発症していました。

更には、日頃から運転中や席に着いた時など足を組むことも含め、「左側重心」であった
ことが問診からわかりました。

骨盤は筋肉によって背骨からぶら下がっている様な構造になっています。

左側重心の姿勢が日常化していたことから、背骨から骨盤へかけての筋肉が短縮固定気味になっていました。

そのため、床に座って前屈しながら作業を行う事で、短縮固定されていた筋肉が急に引き伸ばされ腰の痛みを誘発していたのです。

同じ様に肩から足裏まで連動している筋肉も短縮固定されていたため、しつこく腰の重だるさが残っていたのでした。

これら短縮固定されていた筋肉を解放することで、正常な動作を取り戻し痛みが無くなったのでした。

痛みの症状(その他の症状)について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

はりきゅうルーム恵眞道