食欲低下の原因になった首肩こり

患者
30代・女性

来院
2018年7月

症状と来院理由
4、5日前から首肩こり、背中の痛みで悩まされている。

暑さの影響か食欲が低下。

めまいも感じるようになって来たことで不安に思いネットで検索。

自宅から近いことと、豊富な症例から当院での治療に繋がった。

治療内容と経過
首肩のこりも感じるが背中の張り・痛みの方が気になるとのことで背中から触診を始めた。

肩甲間部の左上側と、右中央から下側に強い筋緊張がみつかった。

左側の方がやや緊張が弱いことから、さらに原因を追求し鳩尾(みぞおち)にも同じような筋緊張を見つけた。

それら左側の筋緊張を緩めるため左手にあるツボへ鍼を行なった。

鳩尾の緊張が緩み、肩甲骨も柔軟に動くようになり呼吸が少し楽になっていた。

続いて、右側の肩甲間部に目を向ける。

肩こりの左右差を比べると、先の治療の影響もあってか右肩の上の方に強い筋緊張を感じた。

さらに原因を追求すると、右側の下腹部と腰にも同様の強い筋緊張を見つけることができた。

先ずは下腹部と背中の筋緊張に関係するスネと足首にあるツボへ鍼を行なった。

10分ほど時間を置き、下腹部を確認すると緊張が緩んでいた。

起き上がっていただくと背中の緊張も緩み、肩と腰の筋緊張だけが残っていた。

これらの筋緊張を緩めるため、ふくらはぎにあるツボへ鍼を行なった。

直ぐに腰の筋緊張が解け、暫くすると肩のこりも無くなっていた。

筋緊張とこりがなくなったこともあり、さらに呼吸が深くなり顔色も良くなっていた。

首肩こりと、背中の痛みがなくなり、めまいも感じていないため、ここで今回の治療は終了した。

同時に治療した症状
食欲低下、めまい、浅呼吸、腰痛

使用した主なツボ
合谷、条口、三陰交、築賓、飛揚

治療技術
脊柱編、腹背編、身心和合編

まとめ
今回は肩こりが酷くなり過ぎて背中を丸めていないと辛いという身体の状態から発症していました。

身体を丸めていないと辛過ぎたため、下腹部に強い張りが発症。

さらに左足を上にして組む癖があったため、左側の鳩尾にも張りを発症させていました。

この2つの張りの真ん中に胃があったことから、上下両側から押しつぶされる形で食欲を奪われていたのです。

肩こりの原因である手足の緊張を緩めることで、今回の症状は改善できました。

ですが、日常生活の中で何が手足に緊張を生んでいるのかを棚卸しできなければ、また同じ症状を繰り返してしまうことになります。

今回は患者様のご要望通りの効果を出すことができたのですが、私はその手足の緊張を生んでしまっている原因の追求こそが、今回の症状の根本解決だと考えています。

はりきゅうルーム恵眞道