患者
80代・女性
来院
2018年4月
症状と来院理由
棚の上段から物を取り下ろす動作で腰がギクッとした。
以前、大人しく寝ていたら翌朝治っていたことがあり今回もそうしてみたところ、治るどころか痛みが増していた。
体操教室へ頑張って参加してみたが、痛みが酷くなるばかりで歩くことも辛くなってきた。
椅子に座って休もうとしたところ、中腰の姿勢で痛みが腰の中央に走り、その後力が抜けた感覚で立つこともままならなくなった。
体操教室の先生から電話があり、救急で対応することとなった。
治療内容と経過
【初鍼】立ったまま触診を行うと、お尻と腰の中央に近い部分に酷い筋緊張が見つかり、それを緩めるため手の甲と脹脛にあるそれぞれのツボへ鍼を行なった。
また、中腰になる動作と、腰痛になるキッカケの動作に関係する筋肉を調べると緊張があったため、その筋緊張を緩めるため脛にあるツボへ鍼を行なった。
中腰になる動作と、座る立つの動作が出来るようになった事を確認、翌日の治療を約束して初鍼は終わった。
【2鍼】前日からの状態を確認すると、腰の真ん中が重いことと、立ったり座ったりに不安が残っていた。
背中を確認すると身体の捻れと、仙骨が後に倒れた状態になってしまう筋緊張が見つかった。
それらの筋緊張を緩めるため、それぞれ足の脛と手に鍼を行なったところ、筋緊張が緩み立ったり座ったりする動作がスムーズになった。
また、腰の真ん中の重さに関係しそうな、お尻の緊張と股関節の動作を調べたところ、原因となる筋緊張を2箇所発見しそれぞれに対応するツボへ鍼を行なった。
股関節の動作がスムーズになりお尻の筋緊張も緩み、腰の真ん中にあった重さも感じなくなった。
様子をみる意味も含めて2日後にご予約を頂き2鍼目は終わった。
【3鍼】様子見を行なった日に、お尻に痛みが出たが、動いている内に収まり、本人としては治ったという意識だった。
痛みが出ていたお尻を触診をしたところ、痛みには繋がっていないが用心しなければならない筋緊張が見つかり、予防のため治療させていただくことになった。
前屈みになる動作、背中の張り、足の曲げ伸ばしに関係する筋肉に緊張が見つかった。
それらの緊張をゆるめるために、対応する腿、脹脛、膝、足の甲にあるツボへそれぞれ鍼を行い緊張を緩めた。
腰痛のキッカケになった姿勢・動作や前屈動作を確認すると、詰まり、引っかかり、重さ、痛みを感じなくなったことから、今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
腕の前方挙上動作・股関節の内旋動作
使用した主なツボ
【初鍼】威霊、築賓、飛揚、精霊、玖路
【2鍼】光明、後谿、威霊、豊隆、巨峻
【3鍼】殷門、築賓、飛揚、白腰、峡川
治療技術
脊柱編、連動思考編、五体躍動編
まとめ
ご本人からのお話で、整形外科で左のL4〜S1の間に狭窄があると診断されている事を知らされていました。
狭窄している状態だけで今回の様な腰痛が発症しているとは思えませんでした。
問診で発症時の体の動きを詳しく聞けた事が、治療の着地点をスムーズに割り出すヒントになりました。
『痛いから動けないのでは無く、動けないから痛い。』
この整動鍼の思考が活かされ、棚の上段から物を取り下ろす動作が引き金になっているという事に焦点を定め治療が行えた事がとても大きかった。
2回目、3回目には狭窄の原因となっている筋緊張を治療出来たので、生活習慣の見直しを行なっていただければ、同じ様な腰痛は起こらないでしょう。
症例:25 同じ振付の反復練習が原因だった腰痛
患者
60代・女性
来院
2018年4月
症状と来院理由
最近、ダンスの発表会があり集中して練習していた。
その流れもあり腰の重さはあったとのこと。
発表会当日、会場の足元が寒く長時間出番を待っていた事から、急に踊り出した事をきっかけに腰と右膝の裏側内側を痛めてしまった。
椅子から立ち上がる際や、立った姿勢から身体を軽く反らす動作で腰が痛い。
膝は歩いたり、足に動きをつけると痛みが発症する。
市販の湿布を貼り痛みが治まるのを期待していたが治らず、肩こりで通院したことのある当院へ連絡し治療を受ける流れとなった。
治療内容と経過
触診を始めると身体の捻れを生む筋緊張が背中に見つかった。
また、身体を反らせる動作で痛みが出る事から背中を触診すると、反らす動きを詰まらせる筋緊張が見つかった。
これらの筋緊張を緩めるために、足の脛と手にあるツボへそれぞれ鍼を行なった。
すると背中が緩み身体を捻る動作と反る動作が自然に出来るようになり、腰と膝の痛みを訴えなくなった。
次に、いつもの肩こりを診せて頂く。
肩首の筋肉と呼応するお尻の筋肉に筋緊張が見つかった。
その筋緊張を緩めるため、背中と肩先に鍼を行なった。
お尻の緊張が緩み、呼応して肩も柔らかくなった。
肩の動作確認を行うと、忘れていた右腕を挙げる動作が楽になっていた。
主訴の腰痛と膝痛が動作で再現しなくなったため、今回の治療はここまでとした。
同時に治療した症状
膝裏内側の痛み、肩こり
使用した主なツボ
光明、後谿、T1(1.5)、巨骨、T4(2.5)
治療技術
脊柱編、連動思考編、五体躍動編
まとめ
ペアダンスのため相手に向かって身体を捻る振り付けが多かったことが災いしました。
追い込みの練習で繰り返し同じ動作を行なっていたため、特定の筋肉に緊張が生まれて発症した、そんな腰痛がでした。
合わせて待ち時間に身体を冷やしてしまったことが筋緊張を助長し、急に激しく踊ったことで悪化。
プロではないとしても、ウォーミングアップは怪我の予防のため行って欲しいです。
痛い箇所だけに拘らず、動作とそれに伴う筋緊張を正確に捉えたことで解消できた症例でした。
症例:24 荷台を受け止めた衝撃で発症した腰痛
患者
40代・男性
来院
2018年3月
症状と来院理由
倒れてきた荷台を受け止めた衝撃で腰と右肘を痛めた。
階段の上り下りで骨盤の上の方が痛む。
湿布を貼って様子を見ていたが、3日経っても痛みが引いて来ない事を不安に思い、毎月通っている当院へ連絡し治療に繋がった。
また、肘は曲げ伸ばしや、ジャムの蓋を捻る動作で痛みが出る。
治療内容と経過
右側の骨盤の上に痛みが出るという事で触診を行った。
荷台を受け止めた際にかかった、負荷が通ったライン上に痛みが出ている事が分かった。
動作確認を行ったところ、肩・腰・膝と詰まりがあり、上下に身体を伸ばす動作で痛みが再現された。
これらの詰まりを緩めるために肩にあるツボへ鍼を行った。
腰と膝の詰まりが緩み、身体を上下に伸ばす動作を行なっても
痛みは再現されなくなった。
次に右肘の動作に関係するポイントを触診すると筋緊張があった。
その緊張を緩めるために背中にあるツボへ鍼を行うと、一瞬で緊張が緩み肘を曲げ伸ばししてみても痛みを感じることは無くなっていた。
身体を上下に曲げ伸ばしする動作を行なって、痛みが再現されない事からこれで今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
右肘の痛み
使用した主なツボ
巨峻、T4(2.5)
治療技術
連動思考編、五体躍動編
まとめ
腰の痛みを腰だけで改善しようとしてもなかなか上手く改善はされない。
今回の場合は荷台の重さが身体のどこを通って、どこで止まったかを考える事で、肩にあった筋緊張に治療点を求めました。
筋肉は筋(すじ)と呼ぶこともあり、その筋に重さが伝わると抵抗して硬くなります。
その筋が身体のどこを通じて、どこに止まるのか。
その事をしっかり観察し、改善のため最善のツボを選ぶことで、2本という少ない本数で腰痛と肘の痛みを改善した症例でした。
症例:23 無意識に踵がういてしまう腰痛
患者
60代・女性
来院
2018年3月
症状と来院理由
お掃除中に掃除機を持ち上げようと、前屈みの姿勢になった際に腰からお尻にかけて左右両側に痛みが走った。
しゃがんで持ち上げようと試みると、今度は腰と右膝の内側に痛みが走った。
肩こり治療で通院歴がある事から、当院での治療に繋がった。
治療内容と経過
痛い箇所を指差して頂くと、腰というよりはお尻の上部に痛みが出ていた。
最初に痛みが出た前屈みの姿勢を再現して頂くと、右足の方だけ踵が浮いてしまうことが分かった。
先ずはこの踵を浮かせてしまう、腰椎に付着している筋肉の張りを緩めるためにふくらはぎに鍼を行なった。
鍼を抜き終わった後に前屈をして頂くと、踵が浮かなくなり痛みの範囲が狭くなった。
お尻の上部に残った筋緊張を緩めるため、背中にあるツボへ鍼を行った。
すると直ぐに筋緊張が緩み、さらに痛みの範囲が狭くなった。
しゃがみこむと腰と膝の内側に痛みが出る事から、膝の曲げ伸ばしと関係する腰の筋肉を緩めるため、肩にあるツボへ鍼を行なった。
しゃがみこむ動作を確認すると、踵を床につけたまま、下までしゃがみこむ事が出来る様になっていた。
最後はいつも通り、左側の首肩こりを緩めるため、肩先にあるツボへ鍼を行い、緩んだことを確認して鍼を抜いた。
再度、前屈の姿勢としゃがみこみ動作を行い、痛みが無くなったことを確認頂き今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
右膝内側痛、首肩こり
使用した主なツボ
築賓、飛陽、T1(1.5)、巨峻、巨骨
治療技術
脊柱編、連動思考編、五体躍動編
まとめ
習い事でダンスを踊られている患者様でした。
新しい振り付けで、右足を軸にしてターンが増えたそうです。
軸を真ん中から右へズラした上に、ヒールを履いて踊っているそうです。
そのため、踵が浮いた状態で安定するに身体に変化していました。
ヒールの高さに身体の使い方が慣れてしまっていたため、ヒールを履いていない時に前屈したり、しゃがみこむという動作で腰の痛みが出ていたのです。
踵を釣り上げる様に筋緊張が肩まで起きていることに気がつき、その緊張を緩めることで解消された腰痛の症例でした。
症例:22 駆け出した際に出る股関節の痛み
患者
40代・女性
来院
2018年3月
症状と来院理由
接客業の仕事に就いている。
ここ最近、お客様に呼ばれ急いで移動しようと駆け出した際に股関節に痛みが出る。
はじめは気のせいかと思っていたが、次第に蹴り出した足に身体が引っ張られるような感覚が出始め痛みが増して来た。
普通に歩いていると痛みが出ることはない。
職場の広い店内で、いつお客様に声をかけられるか分からず痛みの不安を抱えていた。
以前通っていた当院へ連絡があり、治療を行うことになった。
治療内容と経過
左足を真っ直ぐ蹴り出して歩いているつもりでしたが、実際は親指が外側に向かう足の運びになっていました。
股関節の痛みを訴えることから下半身の触診を行うと、お尻の筋肉に強い緊張がありました。
その強い緊張を緩めるため、手の甲に鍼を2本行いました。
するとお尻の強い緊張が少し緩み、親指を正面に向けて歩く事が出来るようになりました。
また、駆け出す際に出る痛みの再現テストを行うと、足を伸ばす動作で痛みが出る事が分かりました。
この足を伸ばす動作に関係する膝にあるツボへ鍼を行うと、すんなりと足を伸ばすことが出来るようになり痛みは出なくなりました。
股関節の痛みが出なくなると、右の肩首の張りが気になってきたとのこと。
これらの張りに関係する背中、肩、足の脛に鍼を行うと肩首の張りがなくなりました。
痛みが出ていた動作を再現して頂き痛みが出ないとのことでしたので、今回の治療は以上で終了しました。
同時に治療した症状
右側の首・肩の張り
使用した主なツボ
威霊、精霊、T1(1.5)、膝陽関、巨骨、懸鐘
治療技術
脊柱編、四肢編、五体躍動編
まとめ
患者様からは痛みが出る動作を「蹴り出し」と聞いていたが、実際には足を伸ばす際に痛みが出ていた。
ランナーの方に多い症状で、腸脛靭帯の伸長障害が起きていた。
治療後に雑談をしていたところ、登山に行った帰り道で岩肌に左足を滑らせ軽く足をひねっていた事がわかった。
その際に踏ん張った膝周囲とお尻の筋肉が衝撃を受け止めて、筋肉が緊張状態のままになっていたと考えられる。
膝とお尻の筋緊張を緩め、腸脛靭帯の伸長障害を解消したことで解決した股関節の痛みの症例でした。
症例:21 頷くことも出来ない程の腰痛
患者
30代・女性
来院
2018年3月
症状と来院理由
2日前から風邪気味で咳き込んでいた。
養生のため長時間寝ていて、トイレに行くために起き上がった動作で「キヤッ」と腰に痛みが走った。
その後、時間が経過する毎に出来ない動作が増えてきた。
不安になり行きつけの鍼灸院で鍼を打ってもらい少しは楽になった。
今朝起きると、また症状がぶり返していた。
しゃがむ事が出来なくなり、靴を履くことも1人ではなかなか出来ない状況。
近くに住んでいる友人に連絡し、助けてもらいながら昨日通院した鍼灸院へ行こうと思ったが休鍼日だった。
その友人が最近通い出した当院の話をしたところ、藁をもすがる思いでお電話頂き来院に繋がった。
治療内容と経過
来院時、会釈も出来ない位に前屈みになる事が出来ない状況でした。
しゃがむ動作、靴下を引き上げる動作が特に出来ないという訴えだったため、先ずはお尻と腰の筋緊張を緩めるため手の甲にあるツボへ鍼を行なった。
施術ベットから起き上がる動作が楽になったが背中、首の辛さを訴えるようになった。
会釈をする様な頭を下げる動作(頷く)が出来ないため首に辛さを訴えていた。
その動作に関係する首の筋緊張を緩めるため背中にあるツボへ鍼を行なった。
こちらからの質問に頷いて答える事が出来る様になった。
まだ首に違和感があるとのことで調べてみた。
すると頭を後ろへ倒す動作と左へ顔を向ける動作、右斜め前へ頭を倒す動作で首に違和感が出るとのこと。
それらの動作に関係する、首を支える背中の筋緊張を緩めるため肩先と肩甲骨付近、手にあるツボへそれぞれ鍼を行なった。
首をグルグル回しても違和感が出なくなった。
立ち上がってしゃがむ動作を試してみると、しゃがみ込み終わる際にお尻の外側に張りが出るとのこと。
骨盤の頂点と腰の筋肉辺りに筋緊張がありしゃがみ込む動作を邪魔していることがわかり、その緊張を緩めるため手にあるツボへ鍼を行なった。
再度、しゃがみ込む動作を確認すると、綺麗にしゃがむ事が出来た。
使用した鍼の本数、刺激量を考慮し日常生活に支障がないところまで回復していたので、今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
首の痛み(むち打ちか?)
使用した主なツボ
威霊、T1(1.5)、巨骨、T5(3)、T4(3)、後谿、六谷
治療技術
脊柱編、五体躍動編
まとめ
もともと長期間首の痛みを抱えていらっしゃたとのことでした。
首の可動域が減ったことから全身でその代償動作を行なっていたと思われます。
それが、風邪をひいて養生のため長時間同じ姿勢で寝ていたため、肩、背中、そして1番代償動作をを支えていたお尻へ筋緊張が広がり、急に身体を起こしたことをきっかけに腰痛を発症したと考えました。
患者様の最大緊張であったお尻を緩めた後に、判断を誤らず首の動作調整を行なったことで本当の腰痛の原因を治療出来た症例でした。
症例:20 締め切りに訪れた魔女が1撃!(ギックリ腰)
患者
50代・男性
来院
2018年2月
症状と来院理由
休日に子供と公園で遊んでいる時、腰に重さを感じ始める。
入浴で腰を温めると腰の重さを忘れることが出来た。
そして、寝て起きたら何とかなっているだろうと思っていた。
ベットから起き上がる動作で異常に気が付いたが、仕事の締め切りが
あるため出勤準備をする事に。
スラッグスに右足を通そうと足を持ち上げた瞬間、腰に激痛が走りその場から動けなくなった。
午前中は頑張って出勤したが、時間をおうごとに痛みが増し歩くのも困難に。
家族からの紹介で当院へ来院される事になった。
治療内容と経過
問診を行うのも困難な程のギックリ腰でした。
立ったまま行える活法を2手行い、お尻の筋緊張をほぐしてようやく治療着へお着替えが出来る状態に。
ご本人は右側の腰に痛みが走るという訴えでしたが、左側の腰・お尻・ふくらはぎに酷い筋緊張が見つかった。
先ずはうつ伏せになって頂き、1番大きな筋肉のお尻を緩めるため、手の甲にあるツボへ鍼を行なった。
酷かった筋緊張が緩み、腰の張りと浅かった呼吸が深くなった。
緩んだ腰を確認すると、腰の動作に関わる腰椎周囲の筋肉に緊張が見つかった。
この筋緊張を緩めるためふくらはぎに鍼を行なった。
さらに腰の緊張が抜け、上半身も楽になっていた。
腰の緊張が緩んだ事で、首や後頭部のコリが気になったとの事で肩に鍼を行いコリ感が緩んだことを確認して今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
肘関節の強張り、後頭部のこり
使用した主なツボ
精霊、威霊、築賓、飛陽、巨骨
治療技術
脊柱編、五体躍動編 (、活法)
まとめ
仕事の締め切りにおわれていたこともあり、パソコンの前で背中を丸くして座っている時間が長かった事が原因でした。
右手を中心に作業が進んでいたため、左半身が殆ど機能していなかった。
その事が治療過程で行なった問診から判明した。
ひとつ、ひとつの動作には連動して動く筋肉が存在増します。
その反対に一定の動作を強調して行う際には、動作の軸を体の中で代償として作っています。
この一定の動作を長時間行う事で、都合上作ってしまった動作の軸が強調され、正常な軸が働かなくなる。
それが痛みを発症する原因なのです。
代償している軸は、筋肉の緊張が支えている事が多いです。
今回はその筋緊張を緩めることで、左側で代償されていた軸が正常の位置に戻り改善されたのでした。
症例:19 めまいを伴う腰痛
患者
40代・女性
来院
2018年2月
症状と来院理由
競泳の大会後、身体の左側に体重を乗せると腰に痛みを感じるようになった。
翌日、痛みが強くなった事と、何故かめまいも発症。
腰の痛みのこともあり横になっていた。
横になっている状態でもめまいを感じてしまう。
不安から病院へ行くか悩んだ。
悩んだ結果、腰痛を先に治してからと、通院歴のある当院へご予約を頂き来院に繋がった。
治療内容と経過
腰痛をメインにという事で、痛みの箇所を指し示して頂き触診。
腰というよりもお尻に原因となる筋緊張があり、そこが首こり・肩こりにも関連していた。
肩、腰、お尻と連動する、背中と手の甲にあるツボへそれぞれ鍼を行った。
すると直ぐに筋緊張がとれ、肩、腰、お尻が柔らかくなり左側に体重を乗せても痛みが出ることはなくなった。
次にクロールのプルの動作で右肩に違和感が出ることを思い出し再現。
動作時に右肩に不自然な筋肉の盛り上がりが出る事がわかった。
調べると、身体の捻れを生み出す背中と肩甲骨周囲の筋肉の緊張が見つかった。
それらの緊張を緩めるため、足の脛にあるツボへ鍼を行った。
すると背中と肩甲骨周囲の緊張が取れ、プルの動作で出ていた違和感はなくなった。
最後に、めまいの症状を改善するために頚椎の捻れを調べる。
しっかりとめまいに関係する頚椎に捻れが出ていた。
その原因である筋緊張を緩めるため足首にあるツボへ鍼を行い頚椎が正常な位置に戻った事を合図に抜鍼。
立ち上がって頂きいろいろ動作を行なって頂き、めまいがなくなっている事を確認して、今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
首こり、肩こり、めまい
使用した主なツボ
T1(1.5)、精霊、光明、大鐘
治療技術
脊柱編、連動思考編、五体躍動編
まとめ
クロールの際、息継ぎは左側で行なっているとのことでした。
その事で、左へ振り向く動作を練習から大会まで繰り返し行なっていた。
身体の捻れがその反復動作によって固まり、腰痛とめまいの原因となっていた。
めまいに関しては、軽度ではあったが身体、特に首の捻れ固定による頭の揺さぶりが関係しているのではないかと思われました。
発症後2日目に相談していただけたので、1回の治療で完治できたと思います。
症例:18 前屈みでは靴下が履けない腰痛
患者
30代・女性
来院
2018年2月
症状と来院理由
出勤準備で靴下を履こうと前屈みになった瞬間に「グキッ」と腰に痛みが走った。
前屈みで靴下を履くことを諦め、足を後ろへ蹴り上げる様な姿勢で靴下を引っ掛け、なんとか履くことができ出勤。
受付事務の仕事のため、就業時間内は大半が着座状態。
昼休みで立ち上がろうとした瞬間に腰の痛みがピークに。
職場に近く、以前にも通院履歴があったことから電話。
午後から仕事を休んで来院にいたった。
治療内容と経過
具体的に痛い箇所がわからなかった。
そのためベットにうつ伏せになって頂き、直接腰周囲を確認すると腰、臀部に筋緊張を発見した。
腰と臀部の筋緊張に関係する、手の甲にあるツボへ鍼を行うと緊張が緩み立ち上がりやすくなっていた。
動作確認を行うと痛みが反対側へ移っていた。
痛みを訴えた箇所が肩こりにも関連していたため、肩こりと痛みの箇所の筋緊張を緩める背中にあるツボへ鍼を行なった。
緩んだことを確認し、立ち上がって頂き動作を確認すると、肩こりもなくなり前屈みしやすくなっていた。
だが、前屈みの際にまっすぐ身体を倒せず、少し身体を捻らせていた。
調べると背中に小さな筋緊張を見つけた。
それを緩めるため肩甲骨の上部にあるツボへ鍼を行い緩んだことを確認して再度前屈みになって頂くと、先ほどまであった捻れは出なくなった。
また、不意に右側へ振り向く動作を行なった時に、腰に詰まった感じが残ったため、ふくらはぎと膝の内側にあるツボへそれぞれ鍼を行った。
再度、右側へ振り向く動作を行なって頂くと詰まり感はなくなっていた。
靴下を履く動作を行い、腰の痛みが再現されないことを確認したところで、今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
肩こり
使用した主なツボ
精霊、T1(1.5)、肩稜、飛陽、峡川
治療技術
脊柱編、連動思考編、五体躍動編
まとめ
左側へ重心が流れてしまう姿勢の癖があり、座っている時には足組してしまう。
長時間のその着座姿勢が影響し右半身の肩、背中、腰、臀部、膝が硬くなっていた。
足組という身体を捻る姿勢で硬くなっていたため、立ち上がる際や前屈みの動作で痛みが出ていた。
右半身の硬さを緩める事で解決した症例でした。
症例:17 立ち仕事が影響した足の痺れと腰痛
患者
50代・女性
来院
2018年1月
症状と来院理由
13年前に右足小趾の痺れをヘルニアと診断され、リハビリを受けながらごまかし、ごまかし生活を送っていた。
2ヶ月前から左足首に痺れが出始める。
腰痛はヘルニアと診断される前からあり、もう痛みが無い生活には戻れないと思っていた。
エステサロンの店員から当院の評判を聞き付け、インターネット予約から当院での治療に繋がった。
治療内容と経過
左足首以下に痺れがある事から、腰の異常を疑い触診を行うと硬さがあり押さえると圧痛を訴えた。
さらに臀部にも関連する筋緊張と圧痛を訴えたため、これらの緊張と硬さに関係する手の甲にあるツボへ鍼を行なった。
5分後に腰と臀部が緩んでいることを確認して抜鍼。
ベットから立ち上がる前から左足首の痺れが少なくなってっていた。
それでも腰の痛みを訴える事から肩甲骨周囲を調べると、身体の捻れに関係する筋緊張が触知出来た。
この筋緊張を緩めるため、足の脛にあるツボへ単刺(鍼)を行い確認。
肩甲骨周囲にあった筋緊張が緩み、右小趾の痺れと腰の痛みがやわらいだ。
痺れと痛みがやわらいだが、右足に体重を乗せる事が出来ない。
臀部に近い股関節に筋緊張があり、それを緩めるため手の甲にあるツボに鍼を行った。
筋緊張が緩んだ事を確認して抜鍼し、立ち上がって頂くと両足に体重が乗っていることが分かった。
両足の痺れがなくなり腰が楽になったら、肩こりが気になった。
この肩こりと関連する臀部にも筋緊張があった事から、背中にあるツボへ鍼を行いこれらの緊張が緩んだことを確認して抜鍼。
腰の痛み、足の痺れ、肩こりが軽快した事もあり、今回の治療はここまでとした。
同時に治療した症状
腰痛、右小趾の痺れ
使用した主なツボ
威霊、光明、精霊、T1(1.5)
治療技術
脊柱編、五体躍動編
まとめ
腰椎のフラットバック(ストレート気味)が足の痺れの原因だと考えた。
左側の腰方形筋が非常に硬く、ここが腰痛の原因だった。
この腰方形筋を緩める事で、腰椎が自然な前弯を取り戻し足の痺れが薄らいだ。
13年前からある右足小趾の痺れのため、右足に負担をかけないように身体の重心が左側に偏っていた。
腰方形筋の硬さ、身体の捻れはこの偏りから生まれていた。
日頃は小売店でレジ打ちの仕事を行なっていて、就業時間内は常に立ち仕事。
痺れが薄れたこともあり、左足重心になりがちな癖に気をつけて生活して頂く事が大事なる症例でした。