五十肩(4): 肘を曲げないと挙げられない腕

患者
80代・女性

来院
2018年8月

症状と来院理由
7月下旬頃から腕を挙げる動作で痛みを感じ始める。

着物の着付けの仕事がら、腕や肩に力が入り痛みが増す。

腕を横から上へ挙げる。腕を前から上へ挙げる。

以上の動作で痛みを感じる。

何故だか、肘を曲げた状態では腕を挙げることが出来、肘が耳元まで挙がったところから頭上へ腕を伸ばすことは可能。

また、首を横に倒すと耳鳴りが始まる。

家族に相談したら、通っている鍼灸院を紹介され施術に繋がった。

施術内容と経過
肩を触診すると、首から肩さきにかけての筋肉に緊張が見つかった。

肩の筋緊張を引き起こしている原因、腰にあるツボへ鍼を行なった。

すると、前方に腕を挙げる動作が行いやすくなった。

続いて背中に筋緊張が見つかり、それらを緩めるために脛と足首に鍼を行なった。

背中の緊張が緩み、さらに腕を挙げる動作が楽になった。

最後に残った横から腕を挙げる動作を改善するため、手の甲にあるツボへ鍼を行い動作を確認。

前方、横どちらの腕の動作もスムーズに行えるようになった。

同時に、首を横に倒した時に発生していた耳鳴りも治まり、今回の施術は終了した。

同時に施術した症状
耳鳴り

使用した主なツボ
腸鳴、条口、三陰交、威霊、裏宮

技術
五体躍動編、心身和合編

まとめ
肩の筋肉は複合的で、多方面への連動が絡んでいる。

今回は足腰を中心に4方面の連動から症状が発生していた。

日頃から、仕事での遠距離移動と着付けという力仕事で蓄積された疲労が、足や腕から伝わって肩首に症状として現れていた。

だから、頻繁に使う足腰、手先の緊張を緩めることで改善できた症例でした。

はりきゅうルーム恵眞道