頭痛(2):後頭部痛の原因、食いしばり⁉︎

患者

40代・女性

来院

2017年9月

症状と来院理由

数日前からズキズキと後ろ頭が痛く、夜何度も目が覚めてしまう。

薬を飲むのは避けたいと思い、以前通っていた当院へ連絡、治療に至った。

・左の骨盤付近に腰痛

・便秘がちである

治療内容と経過

本人曰く「うなじ、両肩のコリが酷くそこが原因だと思う」とのこと。

ベットに腰掛けて頂き触診を行うと訴えの通りで、うなじと両肩のコリが診て取れた。

さらに細かくコリを調べていく。

後頭部の髪の生え際から少し入った部分と、肩甲骨の内縁の上部に特に目立ったコリを見つけた。

私:「腰にコリがあります。歯ぎしりのある方はよく、ここがコリます。歯ぎしりは?」

患者様:「押されると腰痛いです!歯ぎしりに関係あるのか分かりませんが、実は左の奥歯は以前から砕けているんです。それもあってですかね?寝ている時に左の頬に力が入っていたんだなって、目が覚めた時に感じたりします。主人からは歯ぎしりがあるとは聞いた事はありません。」

肩こり・歯ぎしり・食いしばりにも関係する、押されると痛いと仰ったツボに刺鍼。

患者様:「肩から背中ですか?少し楽になった感じです。後頭部が痛いのはまだ少しあります。」

私:「うなじを上がった髪の生え際から少し入ったここですよね?」

患者様:「そこ押さえられると痛みが広がっていきます!」

私:「あと、首から肩へ移るこの辺りにコリがありますね。分かりますか?」

患者様:「そこ押さえて頂くと不思議に頭の痛さ緩んだ気がします。」

私:「腰の、先ほどは鍼したツボの上のこの部分はどうですか?」

患者様:「あっ⁉︎痛い!先ほどの鍼で治ったんじゃないんですか?」

私:「細かいんですが先ほどのツボとは場所が違うんですよ。首から骨盤へかけて走っている筋肉の端なんですよ。だから、先ほどのうなじの上も痛かったですよね。ここ、さらに動作の連動で繋がっていて足首の方まで関係してきます。ここどうですか?」

アキレス腱からふくらはぎに入った部分を押さえてみる。

患者様:「うわぁー。やな感じ。でも不思議に頭の痛いの忘れてた。」

連動して関係するふくらはぎのツボに刺鍼。

患者様:「あれっ⁉︎頭痛いの無くなったし、肩が軽くなった!」

続いて仰向けになって頂きお腹を触診。

お臍の右横と左上腹部、肋骨下縁に硬結と圧痛が見つかる。

私:「これだけお腹硬いと引寄せられて背中が丸くなります。肩はコリますし、下腹圧迫して便秘にもなりますね。」

関連する足のスネにあるツボと、手にあるツボにそれぞれ刺鍼。

患者様:「お臍の横の押された時の痛みがなくなりました。腰がまた楽になった感じもします。左肩も軽くなりました。凄い!」

私:「便秘は直ぐに効果を実感出来ないですから、明日以降の様子をみて下さい。さぁ、動いてみて下さい。」

起き上がって頂き、ベットの周囲を歩いて頂いたり屈伸・前後屈を行い腰の痛みが無くなっている事と、頭痛が無くなっている事を確認し、今回の治療は終了した。

同時に治療した症状

仙腸関節痛、便秘

使用した主なツボ

膀胱兪・承山・上巨虚・合谷

考察

以前から「食いしばり」の問題はあったため、頭痛はいつ起きても不思議ではなかったのではないかと思われます。

治療中に、ここ2ヶ月仕事が忙しく身体を酷使していた事を話されていました。

過度な緊張状態から異変に気づけずにいたのでしょう。

仕事の打ち上げでお酒が入ったことと休暇で気が緩み、緊張していた箇所が悲鳴をあげたと思われます。

細かいところでは、背中を走っている筋肉の緊張が顎関節に影響。

その影響から後頭部の筋緊張を生み、頭痛を発症していました。

腰痛は2つ要因が考えられ。

①仕事中の腰を丸めて集中して座っている姿勢。

②片足に体重を乗せてしまう立ち姿勢。

以上の姿勢で安定を保っていたことで、一部の筋肉に過剰な負荷をかけていたため発症していたと考えられます。

仕事が大事かもしれませんが、健康あっての仕事。

緊張感の中でも身体を伸ばすなど、適度な緊張緩和の時間をとって頂くようにとお伝えしました。

はりきゅうルーム恵眞道