Pocket


■患者■

70代・女性

■来院■

2017年12月

■症状と来院理由■

床清掃の仕事終わりに習い事のテニスに参加。

練習中から右膝の下、外側に痛みを感じ始める。

階段の上り下りや体重を右足に乗せる様な動作で痛い。

ロキソニンテープを貼って治ってくれることを待っていた。

しかし1週間以上痛みがひかなかった。

年末に差し掛かり、このままでは仕事で家族に負担させてしまうと思い、以前通っていた当院へ相談、来院にいたった。

■治療内容と経過■

痛みを訴えている右膝周辺を触診すると腿の裏側と足首の硬さが際立って感じられた。

うつ伏せになって頂き腿の裏側から頭へ向かって触診を行なった。

腿の裏側から腰にかけ酷い筋緊張があった。

この筋緊張を緩める腿の裏側にあるツボへ鍼を行い柔らかくなったことを確認して鍼を抜いた。

腰と膝上の痛みが薄らいだが、主訴のひざ下外側の痛みが残っていた。

立ち上がって頂き、両足を揃へて頂くと身体がやや左側へ傾いていることが判明。

腰と足先を触診して確認すると硬い筋緊張があり、身体の重心バランスが崩れていることが分かった。

腰と足先の筋緊張を緩める、ひざ下外側にあるツボへ鍼を行い緊張が緩んだことを確認して鍼を抜いた。

立ち上がって頂くと随分と痛みが減り、右足へ体重をかけても大丈夫なようになった。

膝の外側に痛みは減ったが、下側の痛みが残り前屈みの姿勢をとると痛いと訴えが変わった。

腿の裏と同じ様に硬かった足首に原因があると仮定し腰を触診すると、腰骨の真ん中よりやや上のところに筋肉の硬さを感じることが出来た。

この筋肉の硬さを和らげる足の甲にあるツボへ鍼を行い抜いた後に足首の硬さを確認すると先ほどまで出来ていなかった背屈ができる様になっていた。

立ち上がって前屈で痛みが出るか確認を行うと足首がスッと曲がり、前屈みが痛みも無くしやすくなっていた。

腕の怠さも何とかなりませんかという話が出てきて、肩と背中を確認すると肩こりを示す筋肉の反応があった。

この反応を緩めるため、手の甲にあるツボへ鍼を行い肩と背中が緩んだのを確認し抜鍼。

手首からブラブラ腕を振って頂き怠さが抜けていたので、今回の治療は終了した。

■同時に治療した症状■

腰痛、肩こり、右腕の怠さ

■使用した主なツボ■

T1(1.5)、殷門、玉陽、大腰、威霊

■治療技術■

四肢編、五体躍動編

■考察■

床掃除用に水をはったバケツを、何往復も右腕で持ち上げて運んでいたことから発症していた。

重たいものを片手で持ち上げるには、身体の反対側の足に重心を移動しなければならない。

重心から得ていた力を失った右足が極度の緊張の中、長時間の作業をこなしていたため筋緊張を生み、右足首を中心に硬くなり動作不良を起こしていた。

この動作不良が痛みの原因だった。

両足のバランスは腰が担っていることがある。

そこに気付けて治療できたのは整動鍼ならではの治療着眼点。

腰の筋緊張に気付けずに膝だけケアしていたら、ぎっくり腰に発展していたかもしれない症例でした。