打撲(1)
外傷の症例:打撲
■患者:70代の女性
■来院:2016年9月
■症状:1週間前に自宅で転倒。右半身を強く何かにぶつけみぞおち付近から足首まで痛みと内出血、腫れ、炎症があり来院。昨日まで整形外科に通っていたが変化無し。かろうじて歩行して来れた。
■治療内容と経過:転倒の衝撃が背骨に影響することがあるので触診してみる。胸椎下部と腰椎上部に圧痛と捻じれを確認することが出来た。炎症を治めながら胸椎と腰椎の調整をかけ打撲の腫れと熱感の軽減に努めることにした。背中と腰、右手に置鍼。炎症が治まるのを待つ間に左膝の治療を行う。膝は痛みで正座が出来ないとのこと。腰と臀部、ハムストリングスに刺鍼。5分くらい経過したところで熱感を確認。「あらヤダ!先生の手の方が温かい!」10分経過して抜鍼。私:「どうですか?」患者様:「先生の鍼は魔法ですか?痛くも無いし、熱さも無くなった!ほんと不思議!いつから魔法使いに?」私:「昨日から」と笑い話が出来るようにまで回復。次週、経過を診せて頂く約束をして本日の治療は終了。
■同時に治療した症状:膝痛
■使用した主なツボ:足太陽・T5(1)・T12(1.5)・L1(1.5)・膝陽関・志室・膝根・外眼裏
■考察:転倒後の初動から治癒が難しい方向に向かっていた。というのも、転倒後にアイシング等を行ってなかった。翌朝整形に通院したが、レントゲンも撮られずにリハビリ(マッサージ)と湿布を処方されただけ。毎日の様にリハビリに通ったが腫れも炎症も治らなかったので当院へ来院された。初動でアイシングさえ出来ていれば、腫れと炎症はある程度治っていたと思われる。幸いにも整動鍼に炎症を鎮め、筋肉の腫れを取る手技があったのでこれ以上長引くことはなくなった。整動鍼を直ぐに受診できないかんきょうであれば、【安静・アイシング・圧迫・挙上】を覚えていて欲しいです。私も患者様に整動鍼と共に【RICE】伝えます。