首の痛み(3):実は後遺症が原因だった首の痛み
30代・男性
■来院■
2018年3月
■症状と来院理由■
1週間前から、睡眠中に目が覚めてしまう程の首の痛みを発症。
仕事が忙しく治療のため通院することが出来なかったが、後頭部の頭痛と左肩の張りが強くなり、我慢が出来なくなった。
以前から通院している当院へ連絡し、通院に繋がった。
■治療内容と経過■
首と背中の境界付近に独特の筋緊張がありお尻を調べると、この筋緊張と関連する筋緊張がお尻にも確認できた。
関連するこれらの筋緊張を緩めるために背中と手の甲それぞれに鍼を行なった。
すると後頭部にあった頭痛が軽くなり、首を前後へ倒す動作もスムーズになった。
首をグルグル回す動作で痛みが出るとのことで、動作を細かく分解して調べてみた。
首を右ななめ前へ倒す動作で痛みが出ることが分かった。
その動作に関係する肩甲骨周囲の筋肉を調べると関連する筋緊張が複数あり、それらに鍼を行なった。
首をグルグル回す動作がしやすくなったら、振り向く動作で反対側に首に出る張りが気になり始めた。
この張りに関連する手にあるツボへ鍼をを行い動作確認を行うと張りは無くなっていた。
首の痛みと頭痛、左肩の張りが無くなった事を確認し今回の治療は終了した。
■同時に治療した症状■
頭痛(後頭部)、左肩の張り
■使用した主なツボ■
T1(1.5)、精霊、T3(3)、T5(3)、六谿
■治療技術■
脊柱編、連動思考編、五体躍動編
■考察■
以前から首こり、肩こりのケアで来院いただいていましたが、首をななめ前へ倒す動作で痛みを訴えられるのは今回が初めてでした。
過去にむち打ち症が無かったか伺うと、交通事故で首を痛めたことがあるとのことでした。
その時は完治したと思っていたようですが、背中の治療が完全ではなかったみたいです。
一般的には首に痛みがあるかのように錯覚しがちですが、実は首・頭は背中の筋肉によって胴体と繋がれています。
ですから、それらを繋ぎ止めている背中の筋肉が首の動作に大きく関わっていて、動作不良を起こすことによって首の痛みを発症していました。
過去の交通事故まで遡って動作確認を行なったことで原因を発見できた症例でした。