打撲(2):明日大事な演奏が…

■患者■
60代女性

■来院■
2017年3月

■症状と来院理由■
自転車走行中に左折しようとした瞬間にタイヤが滑り転倒。身体をかばう為に左手を地面に着いてしまった。

翌々日に楽器演奏会があるため、近所の整形外科でレントゲン撮影を行って頂くなど診察して頂き、骨折・脱臼が無く打ち身と診断され湿布を処方された。

深夜に近づくに連れ痛みが増し、痛みのせいで一睡も出来なかった。時間をおうに連れて首から指にかけて腫れが酷くなってきた。

以前、五十肩の治療で通院していた事を思い出し、救急で予約を頂き来院に至った。

■治療内容と経過■
動作の確認を行い、出来る動作と出来ない動作について切り分けを行うことにした。

手首以下が酷く腫れていたため、殆どの動作が出来ないと言うより「痛い」。

腫れを少しでも退かせるために背中にあるツボに1本鍼をする。

腫れや熱感は直ぐには退かないためそのまま置鍼。

親指側が酷く痛むとの訴えに変わって来たので指先を動かし頂く。

中指・薬指・小指は動作出来る。

手首から遡って触診して行き、背中に痛みの原因を発見。

背中のツボに鍼を行い患者様に親指と人差し指を動かして頂く。

患者様:「動いた!まだ痛いけど動いた!」

痛みの箇所を確認し、再度手首から遡って触診して行く。

手首の痛みの原因は肩甲骨にあった。

原因となる箇所に鍼を行い手首を屈曲(小指を床方向へ倒す)して頂く。

患者様:「痛いけど、来た時よりはいい!」

ここまで来て、手の腫れを確認。

患者様:「指のシワが出て来た。先程までは腫れが酷くてシワなんて無かったのに。」

動作は徐々に取れるようになって来たのだが、熱感と腫れはやや治った所で止まった感じ。

氷嚢を作って手首を感覚が無くなるまで冷やし続ける。

20分経って氷嚢を持ち上げると、腫れと熱感が引いて元の手の様子に。

動作確認。

患者様:「手首が痛いです!」

確認すると親指の動きにつられて痛みを訴えている。

足首に近い場所に2本鍼を行い動かして頂く。

患者様:「だいぶ痛みが退きました。」

翌日の演奏が出来そうな程度に治って来たので治療をここで終了した。

■同時に治療した症状■
熱感・腫れ

■使用した主なツボ■
T5(1)・C7(1)・T1(1)・T2(1)・ふくら(1)・陽輔・懸鐘

■考察■
骨折をしていなかった事が不思議な位の転倒だったそうです。手首の骨折は、骨折の種類の中でもメジャーな存在。不意の転倒で手を着くと言うのは自然の流れ。着いたあと、その衝撃は筋と骨を伝わり、鎖骨や肩甲骨、背骨へ渡ります。今回も、肩甲骨、背骨へその衝撃が伝わり動作の制限が生まれていました。打撲と言うこともあり、組織の損傷もあり全部の痛みが取れた訳ではありませんでした。心配でもありましたので、翌日の演奏にも帯同し、様子を見せて頂きました。しっかり演奏が出来いて安心しました。