練習のし過ぎで発症した膝の痛み
患者
40代・女性
来院
2017年10月
症状と来院理由
平泳ぎの練習をし過ぎたからか、右膝の裏側に筋疲労の痛みが出ている。
大会が近いため体調を整えておきたいと考え、以前区民体育館で はり治療を行なってもらっていた事を思い出し、約半年ぶりに電話をかけて通院に繋がった。
治療内容と経過
患者様が痛みを訴えている右膝の裏側周囲を触診すると、内側のハムストリングスから膝裏にかけての筋緊張を発見した。
足は腰と筋連動の関係があることから、該当箇所の筋緊張を緩める事を目標に腰へ2箇所鍼を行いハムストリングスが緩んだ事を確認。
痛みは無くなっていた。
続いて首・肩の詰まり。
首を左方向へ倒して頂くと、倒した方の首に詰まりを感じる事から首の緊張を緩める足のツボへ鍼を行い首の緊張が緩んだ事を確認して鍼を抜く。
また、首を後ろへ倒す(後屈)動作でも詰まりを感じる事から、詰まりの原因となる筋緊張を緩めるために肘にあるツボへ鍼を行い詰まりが無くなった事を確認して鍼を抜いた。
確認動作を行なっていると、首・肩の詰まりが無くなった事で左腕を上げる(肩関節の屈曲)動作がしづらい事と仙骨の捻れが見つかった。
これらは泳法や息継ぎに影響する事から、背中にあるこれらの動作を改善するツボへ鍼を行った。
動作を確認するとスムーズに腕が上がるようになり、また仙骨の捻れが無くなった事で両足に体重が均等に乗っている感覚を取り戻せた。
大会後にもう一度経過を診せて頂く約束をして今回の治療(メンテナンス)は終了した。
同時に治療した症状
首・肩の詰まり、仙骨の捻れ
使用した主なツボ
L2(1.5)、L3(1.5)、陽輔、天井、T9(2.5)
治療技術
脊柱編・四肢編・腹背編・連動思考編
考察
私が行なった問診で「普段の姿勢は左寄りで、椅子に座っている時も左重心になっている」ということが分かった。
原因は「左寄り」にあったようで、それが仙骨の捻れを生んでいた。
その捻れが泳いでいるときのキックのバランスを微妙に崩してしまい、内側のハムストリングスに筋緊張を発生させていた。
1つ1つの動作を分解して調べ、問題を1つ1つ紐解いていく事で日頃の泳法の癖や姿勢の悪さが原因で痛みが発症していることがわかり改善にも繋がった症例でした。