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ひざの痛みの症例:転んで膝ぶったんです!

■患者:60代の女性

■来院:2016年11月

■症状:昨日道端で転倒し左膝から地面に酷く打ち付けてしまい膝が痛くて仕方がない。膝を伸ばした時(伸展時)に特に痛みを感じる。階段の上り下りが不安定。正座が痛みで出来なくなった。膝に熱感あり。

■治療内容と経過:【1回目の治療】痛みが発現する動作の再現を行って頂く。転倒の衝撃もあってか左の臀部が体幹に引寄せられていて大腿部から屈曲動作のリズムが崩れていた。中心軸を回復させないといけないと説明し了承を得て臀部に刺鍼。もう一度動作の再現。「うわぁ!先生、膝が曲がる!でもお皿の下、外側が痛いかな」今度はうつ伏せになって頂き、腰と大腿後面の触診。「ここと、ここが気になりませんか?」「なる!なる!さっきみたいに早く解放して!」大腿後面に2本刺鍼。起き上がって頂き再度動作確認。「どうですか?」「あぁ、いい!普通に曲げれるし歩ける」「正座してみましょうか?」「あぁ、出来るけどお皿の下、外側が突っ張る」「たくさん鍼の刺激を与えると治療効果がボヤけて来るので今日はここまでにしましょう」と言って1回目の治療は終了。

【2回目の治療】前回からの経過を確認。「ここ2、3日どうでしたか?」「痛みはお皿の下だけになったけど、正座が出来ないのと階段の上り下りがまだ不安定です。」正座の動作確認後にうつ伏せになって頂き大腿後面に1本、膝裏と膝に計2本刺鍼。その後起き上がってこちらを向いて下さいと促すと、無意識に正座。「あらっ、不思議!正座が出来てる!痛くない!」「実は転倒した時に右の肋骨も打っていたみたいで日に日に痛くなって来たの」仰向けで横になて頂き触診。確かに痛そう。お腹の張りを再度確認。筋緊張で硬くなっているお腹の腹圧を下げるために10本と、炎症をおさめるために1本置鍼。更に肋骨の7番から12番にかけ痛みがあるため胸椎の調整で右足に6本追加で置鍼。十分お腹が軟らかく成るのを待ち抜鍼。触診すると「あら、これも不思議!痛くない!」1部肋骨の骨間に痛みを感じる所があった。おそらくそこが1番衝撃を受けた箇所。生活レベルでは全く支障が無くなったので治療は終了し、痛みがぶり返してきたら予約入れて頂くよう約束した。

■同時に治療した症状:右の胸部の痛み

■使用した主なツボ:⑴膝根・外眼裏・殷門・⑵委中・外眼裏・膝陽関・合谷・陽陵泉・陰陵泉・太衝・後谿・陽輔・懸鐘・光明・地機・豊隆

■考察:転倒で左膝を強打したため各所の筋肉が衝撃から身体を守るために筋緊張を起こしていた。特に膝の動きに関わる股関節の中心軸が体幹に寄っていたため、股関節の外旋が制限され膝の外側に負担がかかる動作に変わっていた。そため膝のお皿の下、外側部に痛みが出ていた。正しい動作が出来るように成ると炎症の原因が無くなり腫れも退くし、損傷部の回復も早い。胸部の痛みに関しても1部の骨間に強い痛みがあったために周囲の筋肉が防衛のために緊張し、その結果患部を圧迫してしまい痛みの範囲が大きく感じられていた。はり治療は逆子の治療をはじめ、お腹に関わる諸症状にも効果が絶大で、今回もそこを応用し腹圧を下げることで痛みを軽減することができた。