肩関節周囲炎:投げ過ぎで重ダルいんです

患者

10代・女性

来院

2017年8月

症状と来院理由

ハンドボール部に所属。

練習から痛みがあり、騙し騙しで試合に出ていた。

大会が終わり休みが取れたので、祖母の付き添いで来院。

ついでに診せて頂く流れとなった。

【右肩】

・疲労からか、肩から腕にかけ重ダルさがある

・腕を真横から上げてみる動作(外転)
⇒ 110度位から上がらない

・肘を90度に曲げ肘を固定したまま手の平をお腹の方へ移動する動作(内旋)
⇒ 肩の前面に痛みが走る

・肘を90度に曲げ肘を固定したまま手の甲を身体の外へ移動する動作(外旋)
⇒ 肩の後面に痛みが走る

治療内容と経過

首・背中の張りを触診で確認。

首の1部に圧痛を訴えた。

ちょうど肩甲骨と股関節の動きに関係する箇所だったことから原因になる足首にあるツボへ刺鍼。

抜鍼後に外転動作を試してもらうと

患者様:「あっ、上がりは変わらないけど痛さが無い!」

続いて首を確認していくと、腕や手指の重だるさに関係する箇所に圧痛を訴えた。

原因箇所になる手にあるツボへ刺鍼。

患者様:「おぉ、今度は腕が軽くなった!」

背中の触診に入り内旋と外旋の動作に関係する箇所にも圧痛を訴える。

原因箇所となる手と足のすねへそれぞれ刺鍼し動作確認。

患者様:「嘘でしょう!?︎痛みが無くなった!」

残りは外転動作。

実は、内旋と外旋に関係する箇所を触診している間に原因箇所の特定が出来ていた。

手首にある原因箇所となるツボに刺鍼してそのまま外転してみてもらう。

患者様:「えぇ、嘘でしょう!耳まで腕が!軽っ!」

肩が想像を超えて良くなったことから、腰と膝の相談も出て来た。

うつ伏せになって頂き、さらに背中と腰を診せて頂く。

仰向けで下半身の回旋動作を行なって頂くと片側に痛みが出たので、その回旋動作を改善する足のすねにあるツボに刺鍼。

立ち上がって頂き回旋を含んだ腰の動作を行なって頂く。

患者様:「おぉ、痛く無い!」

動作確認中に前屈が出来ない事が判明。

膝周囲を触診すると、「ハムストリングス」が固い事が分かった。

膝の外側が痛いという事もあり、膝の外側で前面に関係する軸の調整を行うために腿の裏側にあるツボへ刺鍼。

抜鍼後に立ち上がって頂き前屈動作を確認。

患者様:「えぇ、もう少しで床に着きそう!」

治療ベットの周囲を歩いってもらったり、屈伸してもらい痛みと動作を確認。

患者様:「いい!両足に体重が乗ってる感じ!」

2日後の練習後にも同じように診せて頂き、問題なかったので今回の治療は終了した。

同時に治療した症状

膝の痛み・腰の痛み

使用した主なツボ

【初回】足太陽・六谷・内谷・陽輔・養老

【2回目】外眼裏・殷門・光明

考察

ボールを投げる際に手が耳から徐々に離れていっていた事がわかった。

耳から手が離れると遠心力はつくかもしれないが、肩・肘・手首にかかる負担が大きくなるため怪我に繋がりやすい。

プロ野球の投手でもメジャーへ移籍すると日本ではあり得なかったのだが、同じケースで肩・肘を怪我する投手が多い。

肩・肘のみではなく、腰や股関節も連動して怪我する事が少なく無い。

今回は予選から全国大会へと疲労がたまり、知らず知らずに腕が下がり遠心力を利用して手投げになっていた事が原因と思われる。

怪我の予防のため、練習前のアップの時に「スパイラル ショルダー ローテーション」を行うように指導させて頂いた。

痛みの症状(その他の症状)について詳しくはこちら

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