肩こり(5):幼少期から慢性的なんです

患者
60代・女性
来院
2017年9月
症状と来院理由
幼少期からずっと続いている慢性的な肩こり。
肩の痛み・重だるさから、家事など何をするにも億劫で気分がのらない。
マッサージ、カイロ、整体、整形で薬といろいろ試してきたがその場だけの改善。
翌日には肩こりが戻って気分が悪くなる。
鍼治療のことは幼少期から知っていた。
自分の娘が最近初めて鍼治療を受け来た。
その後調子良さそうにしている様子を見て、1度試しに受けてみようと思い来院にいたった。
治療内容と経過
慢性的な肩こりとの事で、肩の触診から行った。
左右を比べると左側のこりがひどい事が分かり、さらに詳しくこりを調べてみた。
そうすると、肩先から首にかけての間、5分の3位に2箇所酷くこっている場所を触知出来た。
猫背も気になり背骨を確認すると3箇所気になる箇所が触知出来た。
肩こりと背骨に共通する、背中に出やすい筋緊張を確認すると確かに強い緊張が触知出来た。
この緊張を取る為に2箇所へ1本ずつ鍼治療を行ってそれぞれの効果を確認。
先ほどまで酷かった肩こりが解け、鍼治療を行った背中の筋緊張も無くなり姿勢がよくなった。
肩こりが酷かったので訴えていなかった腰痛も、背中の緊張が無くなった事により解消されたとのこと。
肩こりが無くなった事で首のこりが際立ってきたとの事で動作確認を行った。
首を左へ倒すと左側へ、右へ倒すと左側へ突っ張りが出る事から、首の筋肉の緊張を緩める為に足のスネへ左右それぞれ鍼治療を行った。
抜鍼後、肩や首を動かして頂きこりや痛み、重だるさを感じなくなったとの事で今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
首こり・腰痛
使用した主なツボ
T1(2.5)・T2(2.5)・陽輔・懸鐘
考察
内向きな性格からか視線を落とし気味な姿勢が問診時から気になっていました。
視線を落として生活を何時間か試すと、背中が自然と丸くなって肩が詰まって来る事を実感していただけると思います。
背中が丸くなると頭の重みを支える為に首・肩・背中・腰と筋肉の緊張が広がっていきます。
この患者様もこのケースの肩こりでした。
筋緊張の中間に位置する背中を緩める事で肩・腰の緊張が取れた症例でした。
その他症例・解説はこちらから ⇒首こり・肩こりについて