背中の痛み⑵:咳が原因だと思ってました

■患者■
30代女性

■来院■
2017年5月

■症状と来院理由■
4月中旬から酷い咳に悩まされ、その影響か背中と脇腹が痛いんです。と、以前来院歴がある患者様から電話での相談があり診せて頂くことになりました。

首を右へ倒すと右側、左側へ倒しても右側へ肩から首へかけての痛みが走る。背中は背筋を伸ばそうとすると痛みが出るので軽く猫背の状態でないと辛い状態。

■治療内容と経過■
触診を行わせて頂くと③点気になるポイントが。

①右肩甲骨内縁の痛み ②右肩のこり ③腹部の筋緊張

③について患者様に問診を行なったところ、連休からお腹の調子が悪く下すことが何度かあったとのこと。

相当辛そうにされているので、先ずは肩から首にかけての痛みに対しての治療から行なった。

症状にある様に特定の動作で痛みが出ることから、背中を触診し原因が足にある事を突き止め刺鍼。

負担がない程度で慎重に首を倒して頂く。

患者様:「気になりません…」

まだ痛みが辛そう…

座っている姿勢が気になり、この姿勢になる原因を考えて頂くと、職場の椅子が3月から変わりフカフカで腰まで沈む様な感じの物になったとか。

その為か自然と足を組んでしまうとも。

腰が丸く後ろへ湾曲し、左から右へ身体を捻った姿勢で座っていたのです。

捻じれのエネルギーが溜まってしまう右側の肩甲骨の内側に付いている筋肉が悲鳴をあげていたのです。

運悪く花粉症が重なり、席をする度に患部がひどく痛んだという訳だったのです。

背中が痛いところを我慢して頂きながら仰向けでお腹の触診。

やはり!

左の季肋部(肋骨の下部で横隔膜に沿った箇所)に合計3箇所と、左の下腹部に同じく3箇所に筋緊張が認められました。

触診しながら患者様にも確認。

患者様:「お腹の中が痛いです。そこは表面も。そこは特に嫌な感じがします

最も患者様が辛そうだった下腹部にから緩めるために足の甲へ刺鍼。

患者様:「ふわぁっとした感じで痛みが退いてきました。」

季肋部の筋緊張を緩めるために手と膝のツボへ刺鍼。

患者様:「呼吸が急にしやすくなりました。」

下痢の症状もあったとの事で、お腹を触診してみるとシクシク痛むと。

ひざ下のツボにも刺鍼。

患者様:「先生、今更なんですが食事があまり喉を通らなくて…。何とかなりませんか?」

みぞおち周囲を触診してみるとシコリが。

腕に刺鍼してしっかり弛むのを待って抜鍼。

患者様:「あぁ、スッキリしました。でも、先生まだ右の脇腹が…。」

私:「背中を診せて頂いた時に原因は特定出来ています。安心して下さい。」

もう一度仰向けで寝て頂き、足のスネと手に刺鍼。

私:「さぁ、起き上がって頂き確認しましょう!」

患者様の動作が軽い。

患者様:「先生、痛くないです。」

再発防止の方法をお伝えして今回の治療は終了した。

■同時に治療した症状■
肩こり・下痢

■使用した主なツボ■
陽舗・懸鐘・太衝・合谷・曲泉・陰陵泉・四瀆・光明・後谿

■考察■
もともと足を組む癖があり、それが原因での背中の痛みで通院歴があった。そこに今回は花粉症の咳と、職場の椅子が新調された事で環境が劇的に変化。

お腹の筋肉からすると、シャキッと筋肉を伸ばして内臓を定位置へ戻したいのにクシャッと常に捻じ曲げられている状態。元へ戻ろうとする筋肉の働きが筋緊張を生み、脇から背中、肩へ痛みを広げていた。

下痢も内部で腸が捻られて貯蔵できない環境になっていたために、早く外へ出してしまおうと働いたために起こっていたと推測される。

先ずは腰がお尻より後ろへ丸くなる座り方をしない様に浅めに着座するように注意して頂き、背筋を伸ばしても痛みが出ない姿勢改善を行なって頂くようにアドバイスをさせて頂きました。