自律神経失調:もう5年もバナナ状の便、見たことないです

■患者■
20代の男性

■来院■
2017年1月

■症状と来院理由■
3ヶ月職場を休職していて、何とか復職したいと思いネットで「鍼はいい」という記事を読み、はり治療がどの様なものか分からないが予約を入れてみた。

酷い首こり・肩こりに加え5年も続いている下痢・軟便の繰り返し、そして浅眠…。

気持ちに余裕が無く、ちょっとしたことで「イラっ」としてしまう。そのため、感情のセーブが効かなくなったりしないか毎日気が気でない。

■治療内容と経過■
【初回】自律神経の調整を主訴として来院されていることから、先ずは首こり・肩こりの治療から行うことを説明。触診を行いながら同時に問診を行わせて頂き、気になっている事や現在の生活環境についてお話をして頂いた。想像していた通り、首の上部がこり固まっていた。

ベットにうつ伏せで横になって頂き足首、手の甲へ合計で5本刺鍼させて頂く。背骨も触診させて頂き手とふくらはぎへ合計2本刺鍼させて頂く。抜鍼後、ベットから起き上がって頂き首の動きを確認して頂く。

患者様:「あれっ⁉︎嘘、スッキリしている!」

仰向けで横になって頂く前に肩のコリの箇所を一緒に確認。ベットに横になって頂き腹診。

私:「ここと、ここと、ここと、ここどうです?」

患者様:「気持ち悪いし、中には差し込む様な痛みを感じる」

手足に合計9本刺鍼させて頂き10分置鍼を行いながらお腹の張りを確認。10分後腹診を再度行う。

患者様:「不思議です!気分がいい!昨日までと違うのがよく解ります。お腹が柔らかくなったし差し込む痛みも無くなりました。先生とたくさんお話がしたいという気力が出てきた!」

肩の確認を行い柔らかくなっていることを確認してから来週の予約を頂き、初回の治療は終了した。

【2回目】前回からの調子を伺い、前回同様うつ伏せから治療に入った。首のコリはほとんど無く、6本刺鍼させて頂き抜鍼後仰向けに。お腹を触診し9本置鍼させて頂きながらお話をさせて頂く。

患者様:「1日の中で便の回数が減ったんです。その事を伝えたくて仕方がありませんでした。」

私:「変化を実感出来るって嬉しいですよね。前回と違ってお腹の張りが下腹部に変わっています。呼吸もしやすいのでは?」

患者様:「そうなんです!お陰様でぐっすり眠ることも出来ました。」

抜鍼後、肩の確認を行いながら、次週の予約を頂き2回目の治療を終了。

【3回目】同様に治療を行わせて頂き、回復具合がよいことから月1回の治療を提案しようと説明を始めたところに患者様から「先生、ありがとう御座います。心療内科で相談した結果、来月から復職することになりました!」とご報告がありました。

「油断は出来ませんよ」と明るく応えて、一応予約は入れて来月中旬まで様子をみましょうと提案し、今回の治療は一旦終了した。

■同時に治療した症状■
過敏性腸症候群・首こり・肩こり・浅呼吸・浅眠

■使用した主なツボ■
●大鐘・項強・僕蔘・足太陽・六谷・外谷・飛陽
●合谷・四瀆・曲池・足三里・陽陵泉・陰陵泉・太衝・漏谷

■考察■
自律神経は内臓の働きに関係していることから、内臓の置かれている環境を整えることに注力した。過敏性腸症候群の症状もあったことから、患者様が治療に対する疑問が無くしっかりとお腹の調子を整えることが出来たので回復がはやかった。一見関係なさそうに思われる内臓の調子も、「全ては繋がっている」という全体観察という診断基準から軽く診ることは出来ない。だから患者様に理解していただけるよう親身に説明を行うことが大事。早く健康な身体を取り戻して頂けるように今後も解りやすい説明が出来るように努めたい。