逆子(骨盤位)治療

逆子(骨盤位)治療

治療症例を読んで頂いた同業者の方から質問がありました

同業者:「小田先生は短い期間に2回も逆子の治療を成功していますね。やはり『逆子の灸』で治療を行われたのですか?」

私:「いえ、はり治療のみです。以前は自分の妻がそうなった時に灸で行ったことがありましたね。」

同業者:「えっ!?はり治療だけでですか?そんなの学校でも医学書でも習っていないし読んだことも、見たこともありませんが本当ですか?」

私:「そう!そう!私も以前はそう思っていました。その頃は私も思考が単純だったんですね。変な宗教に入会していた感じです。」

同業者:「へっ!?変な宗教って?」

私:「逆子の灸っていう宗教ですよ(笑)もう、脱会して自由です。」

同業者:「どういう意味ですか?」

私:「そのままですよ!じゃあ、あなたは逆子で相談に来て下さった患者様の何を診て『灸』をされているんですか?」

同業者:「逆子…。問診票の相談内容です…。でも、逆子といったら『逆子の灸』で【至陰】へお灸を行うのがセオリーなのでは?違うのですか?」

私:「いや、私もね 同じ様に考えている【つもり】の時期がありました。だから脱会したんですよ。『逆子の灸』という宗教からと言うか、【逆子 = 至陰灸】という症名だけで治療方針を決めるという宗教から。(笑)」

同業者:「はぁ!?逆子で相談に来ている患者様ですよ!知っている治療方法で行うことにどんな抵抗があるというのですか?著名な先生方がその方法を本に記されていたり、実際にその方法で治っている話を耳にしています。」

私:「それでどれだけの効果があって、患者様に安心していただけたのですか?」

同業者:「安心していただけたかどうかは…。分かりませんが、逆子体操よりは確度が高かったのは実感しています。」

私:「でも、私の治療症例を読んで相談に来られたのですよね?すみません。意地悪な言い方でした。ご自身の逆子治療に不安があったのではないですか?」

同業者:「…。先生は妊娠32週の患者様を2回続けて改善されています。お灸での症例では、28週から32週の間がセオリー。改善出来れば運が良かったって感じです。患者様自身も、医師に出来ない事を駄目モトでって来院されている方が多い。だから改善されなくても不問です。患者様が安心しているかと聞かれても、あまり期待されていないのですから安心して頂くとか考えた事もありませんでした。」

私:「それだと、治療方針の説明出来ませんよね?患者様は何故逆子に成っているか知りたいし、ただでさえ妊娠中の不安を負っているのですからその不安を誰かに払拭して欲しいはずですよね。患者様が記入された問診票だけ診て説明出来ましたか?」

同業者:「『これから足の至陰に灸をさせて頂きます。あと、婦人科系のツボでは有名な三陰交を併せて使います。子宮から遠いツボを選ぶ事で優しく身体を温め、赤ちゃんに気持ちよく成って頂きひっくり返りやすくしていきます。』っていう感じの説明を行っています。間違っていますか?」

私:「私も以前は同じ様な説明していました。あと、東洋医学ではみたいなウンチク話していました。膀胱経は背中を走行するので直接お腹を通らないからとかね。」

同業者:「そういう意味もあるんですね。」

私:「でもね、それを聞いても患者様が安心されたって経験無いんですよ。『残念だなぁ。東洋医学って身体に優しくていいものなのになぁ。』って私は心の中で思っていました。」

同業者:「そうですよね!解って頂きたいですよね!何がいけないんでしょうか?」

私:「患者様のお身体を全く診ていないという点に尽きると思うよ。今のやりとりでお身体の状態、どこまで確認出来た?説明したの自分たちが行う治療のことだけだよね。」

同業者:「逆子であるという事以外何も分かりません。」

私:「例えば自分がそうであって、その状況で安心して治療受けられますか?」

同業者:「不安に成って来ました…。」

私;「ですよね!だからもっと人の身体の原則みたいなモノも知っていて、患者様の状態とどう違ってどうしなければならないかをお伝えしないといけませんよね。」

同業者:「それはそうですよね。その事とはり治療を選択されたの関係あるのですか?」

私:「改善されるかもしれない灸を勧めるのと、はり治療ならこう出来ますのでこの方法で改善させて下さいっていうのでは雲泥の差がありますよね?」

同業者:「同じ様に聞こえますが何がちがうのですか?」

私:「では、具体的に話していきましょう。」

「逆子(骨盤位)とは」は別のWebページの説明に任せるとしてここでは恵眞道で考えている逆子のお話をさせて頂きます。

簡単に説明すると、何らかの異常によって赤ちゃんが頭を子宮口へ向けていない状態が継続されていることを言っています。

ですから、その『何らかの異常』を取り除いてあげないと、赤ちゃんは安心して正常な状態になれないわけなんです。

成人がシングルベットに仰向けで横になるのに、ベットが長方形ではなく台形だったらどうでしょう?

横向きで丸く成って寝ませんか?

例えが下手かもしれませんが、同じ様な状況が母胎というベットに起こっていると考えてみたらどうですか?

お母さん左肩が凝っているから辛くて左肩を内巻きにしてたりするんですよ。

そうするとお腹、まん丸ではなく、押しやられて右側へ凸しませんか?

凸している所に余裕がありますから頭をそちらへ移動したくなりますよね。

恵眞道では逆子をこの様に考えています。

だから、赤ちゃんが安心してお母さんのお腹の中で寝ていられる様にお腹をまん丸に変化させるんです。

今回は簡単に肩こりだけを原因にあげました。

まだいろいろ原因はあります。

私:「患者様の肩こりを改善出来、お腹の環境を正常に戻せます。そうすれば赤ちゃんの頭の置き場が整いますので改善出来ます。と説明するのと灸で前例があるので行いましょうでは違いがありますよね。」

同業者:「やっと理解出来ました。原因も改善方法も分かりやすいです。」

私:「何よりも不確定な治療方法とは違い、私の技量でコントロールが可能なんです。だって、先ほどの例だと肩こりの治療を行う訳ですから日頃から行なっている。そう、はり治療の得意分野のひとつですよね。」

同業者:「そうですね。何故そのことを気付けないのでしょうか?」

私:「だから変な宗教に入会しているからって説明しています。(笑)それしか知らないし、疑ったことないでしょう?」

同業者:「疑ったことなかったです。例えとはいえ、逆子で肩こりを疑うなんて考えてもいなかった…。」

問題(逆子)は前例の中で起こっているのではなく、患者様のお身体の中で起きています。

専門の知識と技術を兼ね備えているプロにお任せしたいですよね。

『逆子のプロ』って聞いたことありませんが、『はり治療のプロ』ならここに居ます。

同業者の方も『はり治療のプロ』

自分が行える治療に気付き、脱会が出来たようです。

最後まで読んで頂きありがとう御座います。

注)『逆子の灸』が効果がないという訳ではありません。私が『はり治療のプロ』であって『灸治療』を本業としていないだけです。灸治療の大家はちゃんと『逆子の灸』で治療されています。だから前例があり、本も出版され、勉強会が行われています。誤解がない様にお願いいたします。

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