■患者■
50代女性
■来院■
2017年7月
■症状と来院理由■
年始から仕事中に右手の親指と人差し指にしびれを感じるようになった。
最近ではマウスでスクロールを行う動作で、腕から肩にかけて重だるさを感じるまでに。
もともと首こり、肩こり、腰痛持ちで接骨院へ通っていたが改善されず、当院へ通院中の友人から勧められ来院に繋がった。
■治療内容と経過■
【初回】
首・肩こりが酷かった事からしびれの原因をそこだと仮定し治療を行う事に。
首肩の触診を行い硬結部分を確認。
同じ首肩こりの反応点をお腹で確認するため仰向けで寝て頂きお腹を触診。
その結果、同じ治療点を用いる反応が首肩とお腹から確認できた。
足のスネから甲へかけて反応点に従って鍼を順に行なっていく。
患者様の首肩が柔らかくなっている事を確認。
そして患者様へ症状の確認を行うと、「うぅ〜ん。よく分からない」との返答。
続いて主訴の指先のしびれへアプローチを行う。
柔らかくなった背中を確認し、胸椎の一部に硬い部分を見つけ鍼を行う。
鍼を抜き終わり症状を確認。
患者様:「人差し指の動きは良くなった気がするけど、しびれは変わらないなぁ。接骨院に長く通っていたから、時間がかかるのわかるしもう少し通って様子をみてみる。」
同情にも似た言葉を頂き、1週間後に来院のお約束を頂き1回目の治療は終了した。
【2回目】
患者様:「何故だか親指のしびれは無くなりました。人差し指のしびれがまだあります。」
前回とは違う検査を行い治療に入る事を告げ、先ずは上半身を捻る動作(回旋)でしびれが変化するか確認を行った。
左への捻りは真後ろまで行くのかというほど柔らかかったが、右への捻りは詰まった感じがしてしびれが増すとの事。
右側の肩甲骨周囲の筋肉が硬く詰まっていて、さらに腰にも張りが確認できた。
前回のしびれの治療にに加え、首の下部を緩める治療も加えて鍼を行う。
患者様:「腕の重だるさは軽くなった!」
続いて上半身の捻りを詰まらせている原因へ鍼を行う。
患者様:「あれっ!しびれが無い!」
起き上がって頂き、上半身の捻りでしびれが出ないか確認。
患者様:「おぉ、さっきのしびれは何だったの?」
腰の痛み、上半身の捻りも改善され念のため2週間後にもう一度診せて頂く約束をして今回の治療は終了した。
■同時に治療した症状■
首こり・肩こり・腰痛
■使用した主なツボ■
【初回】
太衝、三陰交、足三里、陽陵泉、陰陵泉、曲池、T2⑴、T3⑴
【2回目】
T3⑴、六谷、足三里、陽陵泉、陰陵泉、玉陽、腰腿点①②
■考察■
パソコン作業が多い仕事のため、座り姿勢の悪さが原因でしびれが出ていたと推察できる。
①癖で左足を上にして足を組む。
②目が悪いため前のめりで画面を見ている。
①から、上半身を左へ捻る姿勢をとる機会が多いことがよくわかる。
特に②の姿勢を加えると左膝と右肩が異常に近い。
そのため捻りと前傾から胸椎のバランス環境が悪くなり、胸椎の間から出ている神経を圧迫。
結果、手先や今回の様な指先のしびれを引き起こしてしまうのである。
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