クロールで発症する肩の脱力感

患者
50代・女性
来院
2017年12月
症状と来院理由
水泳のプル(水をかく)動作で右肩に脱力感が出て、しばらく重だるくなる。
インストラクターのため、指導で実演が出来なくなるとまずいため久ぶりに来院された。
その他に、右腰に痛みがあった。
治療内容と経過
肩、首とお尻を触診すると見事に肩こりの反応が出ていた。
背中にあるお尻の筋肉を緩めるツボへ鍼を行い5分間お休み頂く。
抜鍼してお尻と肩首の筋肉を確認すると緩んで動作がしやすくなっていた。
しかし、脱力感は残っているとの訴えだった。
あらためて立ち上がって頂き身体全体を観察すると、右足に体重が乗っているように見えた。
骨盤を私が手で固定し、患者様に上半身を捻って頂くと右側へ捻りにくいことがわかった。
捻りに関係する脊椎を調べると右側に反応があった。
この反応と背中にある筋緊張を緩めるために足のスネにあるツボへ鍼を行なった。
腰の緊張が緩んだ。
それでも左足に体重をかけることが上手く出来ていなかったため、左足の外側を調べると筋肉が硬くなって床に上手く足裏を着けない常態だった。
その硬くなった筋肉を緩めるため、膝の下にあるツボへ鍼を行なった。
立ち上がって頂くと重心が中心に戻りつつあった。
また、右肩の重だるさが薄らいでいた。
続けて、右肩の三角筋前部に筋緊張があったため、関連する背中のツボへ鍼を行い緩んだことを確認して抜鍼。
立ち上がって右腰に重さが残ることと、前屈しにくいことから腰の筋肉を緩める腿にあるツボへ鍼を行い緩んだことを確認して抜鍼。
前屈も出来るようになり、肩の重だるさも無くなった事を確認し今回の治療は終了した。
同時に治療した症状
使用した主なツボ
T1(1.5)、光明、玉陽、T4(1.5)、殷門
治療技術
脊柱編、四肢編、五体躍動編
考察
先ずは肩の重だるさから「肩こり」を疑ってみた。
肩上にも臀部にも肩こりの反応があり治療をそこから始めたが、身体の重心バランスが悪いことに気がつき治療方針を変更した。
右の腰が痛かったのは、右側に重心がかかっていたからだった。
それに気がついてからは、重心を整え三角筋の筋力バランスを整えて対応。
最終的には右側の腰の緊張を緩めることで、本来の動作を取り戻すことが出来た。